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古墳なう

「大都市、東京の失われた古墳を探せ!」をテーマに、 ご〜ご〜ひでりんが実際に現地に足を運んで確認した古墳や塚の探訪記録。

下砥上古墳群その2「下砥上1号墳・姿川中央小敷地内古墳」

187 3203 下砥上古墳群2「下砥上1号墳・姿川中央小敷地内古墳」1

 前回に引き続き「下砥上古墳群」シリーズということで、今回はその2。
 姿川中央小学校の校内に保存されている「下砥上1号墳」の探訪の記録です。

 この古墳は明治27年(1894)、姿川中央小学校の前身である姿川尋常高等小学校創立における校庭の整地の際に発見、発掘されています。それまでは、人目につかない山林の中の無名の古墳だったようです。
 その際に出土した刀剣などの遺物は、同校に保管されていたそうです。

 その後、平成11年5月に発掘調査が行われ、凝灰岩で造られた横穴式石室が確認されています。石室の規模は、長さ4.5m、幅1.1m、深さ1.5mで、石室の構造や出土品から、古墳は6世紀後半に築造されたと推定されているようです。

 画像は、現在の下砥上1号墳のようすです。
 姿川中央小学校の校庭の東端に、柵が巡らされた中に横穴式石室が保存されており、姿川中央小学校による説明板が設置されています。


187 3203 下砥上古墳群2「下砥上1号墳・姿川中央小敷地内古墳」2

 説明板には次のように書かれています。

 下砥上一号墳
 この古墳は、明治二十七年、本校が姿川尋常高等小学校として
創設された際に、校庭の整地によって発見されたものです。この
時、刀や土器などが出土したと言われていますが、その後古墳は
丁寧に埋め戻されるとともに、石碑と柵が設けられ、学校の文化
財として大切に保管されてきました。
 平成十一年、校庭の整備事業に伴い、改めてこの古墳が発掘調
査されました。この調査では、全長5m近い横穴式石室の様子が
明らかになり、中から轡(馬具)や耳環(イヤリング)などが発
見されました。また、北側で堀の一部が確認され、この古墳がお
そらく直径20mほどの円墳であったことも推定されました。
 以上のようなことから、この古墳は、古墳時代後期の7世紀ご
ろ、この地域を治めていた人物が葬られた墓であると考えられま
す。
             平成二十四年三月 姿川中央小学校




187 3203 下砥上古墳群2「下砥上1号墳・姿川中央小敷地内古墳」3

 策の中の様子です。
 石室の天井に使われた大谷石が露出した状態で公開されています。

 古墳時代後期には、横穴式石室に大谷石が盛んに使われるようになり、これは上流の大谷地区から姿川を利用して運んだものと考えられているそうです。

 よく晴れた週末に、学校の職員の方に声をかけて見学させていただきました。
 ありがとうございました。。。

<参考文献>
早乙女覺『姿川村史』
宇都宮市教育委員会『宇都宮の遺跡』
宇都宮市教育委員会文化課文化財保護係『宇陽ぷれす 創刊号』
宇都宮市教育委員会『宇都宮市遺跡分布地図』


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  1. 2021/03/06(土) 23:25:49|
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下砥上古墳群その1「鶴塚古墳」

下砥上古墳群「鶴塚古墳」1

 画像は、宇都宮市下砥上町に所在する「鶴塚古墳」を東からみたところです。

 鶴塚古墳は、「下砥上古墳群」を形成する残存する3基の古墳のうちの1基で、古墳群中最も著名な存在です。規模は直径約19m、高さ約2.5mで、円墳とされています。

 この古墳、以前は鬱蒼としたものすごい藪だったのですが、近年になって一部の樹木が伐採され、冬であれば墳形が判別できるようになりました。


下砥上古墳群「鶴塚古墳」3

 これ、初めて見学に訪れた時の写真です。
 真夏だったこともあってものすごい藪です。笑。

 これはこれでむしろ大古墳っぽい風情があって見た目は嫌いではなかったですが、やはり墳丘に登ろうとするとスズメバチやヘビに追われ、また顔に貼りつく蜘蛛の巣やセミにひっかけられる小便にやられて消耗することになります。

 やっぱりある程度は人の手が入っている古墳が望ましいかもですね。。。


下砥上古墳群「鶴塚古墳」2

 田んぼのあぜ道を失礼して、古墳に近づいてみました。

 古墳の裾には「鶴塚古墳 正一位稲荷大明神」の石碑が建てられています。
 「古よりこの地を護る鶴塚古墳 合わせる両手に熱をおぼえる」と刻まれていました。


下砥上古墳群「鶴塚古墳」4

 墳丘には石段が設けられています。
 以前は鳥居が建てられていたようなのですが、現在は崩壊して地面に散らばってしまっています。やはり、311の地震によるものでしょうか?
 最近も大きな揺れの地震がありましたし、用心しないといけませんね。。。


下砥上古墳群「鶴塚古墳」5

 墳頂部の様子です。
 石の祠が祀られています。


下砥上古墳群「鶴塚古墳南方の様子」7
 
 昭和34年に発行された『姿川村史』によると、当時の鶴塚の南方の畑中には開墾により半壊となった古墳跡が残されており、また整地されて消滅してしまった小円墳の存在についても記されています。
 戦後の空中写真で確認すると、確かに畑の中に古墳跡ではないかと考えられる木立が見られるのですが、現在その痕跡はすでになく、古墳は消滅してしまったようです。。。

<参考文献>
早乙女覺『姿川村史』
宇都宮市教育委員会『宇都宮の遺跡』
宇都宮市教育委員会『宇都宮市遺跡分布地図』


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  1. 2021/03/05(金) 01:36:25|
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「亀塚古墳」

192 3115 亀塚古墳1

 画像は、宇都宮市下欠町に所在する「亀塚古墳」です。

 この亀塚古墳は田園の中にぽっかりと浮島のように浮かんでおり、一見すると円墳であるかのように感じられますが、「亀塚」の名称の通り、元々は全長100m前後の大きな前方後円墳であったそうです。
 大正時代初期の耕地整理によって周囲が徐々に削平され、その後、大正10年に行われた姿川の堤防工事における用土として前方部が削り取られ、現在は後円部のみが残存するという状況です。

 残存する後円部の径は約40m、高さ約6mで、墳頂部から下に約1.5mほどの位置に北向きに横穴式石室が開口しているそうです。
 私が最初に訪れたのは真夏で、かなり激しい藪となっていたことからその後、冬に出直したのですが、冬でもやはり鬱蒼とした藪に拒まれ、今のところ石室は確認できていません。。。

 石室は長さ約2m、幅約1.3m、高さ約0.5mほどの長方形で、奥壁と両側壁は平らで小さな割石を積み上げて造られているそうです。


192 3115 亀塚古墳2

 これは冬の亀塚古墳です。

 削平された前方部は後円部に比べて低かったといわれていますので、古い時期に築造された古墳かもしれません。

 南側崩壊面の底部からは、口径二尺、頸部一尺三寸、胴部三尺、深さ三尺五寸というかなり大きな須恵器とも言える甕が出土したようですが、これは残念ながら、掘り出す際に破壊されて散乱してしまったといわれています。
 また、古墳の中腹からは円筒埴輪等が出土しているようですが、これも大部分は破壊散失しているそうです。

 古墳の詳細については、いずれ行われるはずの発掘調査に期待ですね。。。


192 3115 亀塚古墳3

 ちょっとわかりにくいかもしれませんが、前方部が削平された傷跡がザックリと残されています。
 断面からかなり覆土が流失して崩れてきているようなので、なんとか保護していところですね。。。

 この地には「姿川の西八町のところに朱雀天皇の御陵あり」という伝承があり、その御陵とはこの亀塚ではないかともいわれているようです。また、亀塚の北方四、五町ほどの位置にある「釜塚」と呼ばれるところは、亀塚の築造の際に釜を据えた場所であるという伝承もあるようです。
 この「釜塚」の詳細については今のところ不明ですが、亀塚の北方四、五町ほどというのは、前回紹介した大明神南古墳が所在する「鷺宮神社」の位置とも符合しており、興味深いところです。

<参考文献>
早乙女覺『姿川村史』
塙 静夫『日曜散歩 うつのみやの歴史再発見』
宇都宮市教育委員会『宇都宮の遺跡』
宇都宮市教育委員会『宇都宮市遺跡分布地図』


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  1. 2021/03/03(水) 20:33:18|
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「大明神南古墳」

473 7142 大明神南古墳1

 画像は、宇都宮市鷺の谷町に所在する「鷺宮神社」です。

 羽生田街道沿いにあるこの神社の祭神は豊城入彦命で、建長元年(1249)に宇都宮大明神を勸請したと伝えられており、また上三川町の白鷺神社の分社を祀ったとという説もあるようです。

 平成29年(2017)に発行された『宇都宮市遺跡分布地図』によると、この神社の境内には「大明神南古墳」と称する古墳が存在するようです。

 まずは神社を参拝してから、古墳を見学してみましょう。


473 7142 大明神南古墳2

 北に数百メートルほどの地点の宇都宮市と鹿沼市にまたがる「下台原古墳群」と、南側の壬生町に所在する「上原古墳群」との、同じ台地上の中間に位置するこの神社に古墳が存在することは、立地的にはじゅうぶんに考えられそうな気がします。
 ただし、宇都宮の古墳を散策するにあたって最初に入手した、宇都宮市教育委員会より発行の『宇都宮の遺跡』にはこの古墳は記載されていなかったことから、『宇都宮市遺跡分布地図』で確認するまでは存在も知りませんでした。。。

 画像は二の鳥居です。さらに進みます。


473 7142 大明神南古墳3

 拝殿の様子です。

 ここまでは特に古墳らしき高まりは見当たりませんでした。
 『宇都宮市遺跡分布地図』によると、古墳は「円墳」で、現況は「畑、宅地、境内地」と書かれています。これだけでは古墳の現状はよくわかりません。

 参拝後、さらに奥に進んでみました。


473 7142 大明神南古墳4

 本殿の土台の部分が塚状に高まりとなっています。
 ここまで周囲には古墳らしき高まりは見られなかったので、考えられるのはこの塚状地形のみです。
 果たしてこの高まりが古墳なのでしょうか???


473 7142 大明神南古墳5

 ちょっと角度を変えて、北東から見た塚の様子です。
 形状からすると「方墳」ということになるのかもしれませんが、古墳であったとしても神社の建築の際に削られた可能性も考えられますし、よくわかりません。。。


473 7142 大明神南古墳6

 よくよく考えると、「大明神南古墳」という名称からして神社の南側にあったかな?とも思えますが、周辺には古墳らしき高まりは見られませんでした(とはいえ、ちょっと自信がなくなってきたな。記憶がおぼろげになってきたし…)。
 『宇都宮市遺跡分布地図』の地図に記された位置を拡大してみると、この本殿の高まりが古墳であっているようにも思いますが、地図上に正確にプロットされているとも限りませんし、そもそも「現況」の項にある「畑、宅地、境内地」が悩ましいですね。
 真相は最後までわかりませんでした。。。


473 7142 大明神南古墳7

 境内に所在する男根の碑。
 なんと先っちょに穴があいているんです。
 先っちょの写真もしっかり撮ればよかったな。。。

 いずれまた通りがかったら、この先っちょも社殿の南側もよく見てみることにします。。。

<参考文献>
宇都宮市教育委員会『宇都宮の遺跡』
栃木県神社庁『栃木県神社名鑑』
宇都宮市教育委員会『宇都宮市遺跡分布地図』


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  1. 2021/03/02(火) 02:29:30|
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「幕田星宮神社古墳」

398 4181 幕田星宮神社古墳1

 今回紹介するのは、宇都宮市幕田町に所在する「幕田星宮神社古墳」です。

 東武宇都宮線沿線には、車窓から見ることができる古墳が数多く存在します。東武宇都宮駅に向かって安塚駅を出発すると、ほんの2分ほどで西側ののどかな田園風景の中にポツリとこんもりとした森が見えてきます。葉が落ちた冬であれば、この森の木々の合間から大きな塚状の高まりを見ることができます。

 宇都宮市の遺跡番号398番、栃木県の遺跡番号4181番に登録されている古墳です。


398 4181 幕田星宮神社古墳2

 個人的には、かなり以前から「こりゃ絶対に古墳だョ」と確信していました。

 しかし、これだけ大きな墳丘が目立つ場所に残されてるにも関わらず、当時頼りにしていた宇都宮市教育委員会より発行の『宇都宮の遺跡』にはこの地点になんの登録もなく、「おかしいなあ?古墳じゃないのかな?」とずっと真相がわからないままでした。
 しかしその後、平成29年(2017)に発行された『宇都宮市遺跡分布地図』にこの塚が記載されているのを確認して、ようやくこの高まりが古墳であること知ることができました。

 ただし、この分布地図には、備考欄に「円墳」と書かれているのみで、過去に何らかの調査が行われているのか、また古墳の規模や出土した遺物、埋葬施設、埴輪や葺石の有無といった古墳に関係する情報は皆無で、古墳に関する詳細は今のところまったくわかりません。
 また、この古墳は田園の中にポコっと1基のみが存在していて現状は単独墳という趣きではありますが、実は周囲にも開墾により消滅した古墳が地表下に隠れているのではないか、などと妄想すると止まらなります。


398 4181 幕田星宮神社古墳3

 墳丘には石段が設けられており、頂部に祀られている星宮神社を参拝することができます。


398 4181 幕田星宮神社古墳4

 墳丘上に祀られている星宮神社の社殿です。

 主祭神は磐裂神・根裂神で、嘉祥年間(848〜851)に宇都宮氏の一族である横田越中守頼業が郷内守護のため、星宮と称して祭田を寄進したといわれています。武田勝頼の宇都宮城攻略や戊辰戦争の大垣藩士滞陣など、幾多の戦火を蒙り、残念ながら古文書等は焼失。
 郷名は元々は蒔田であったそうですが、収穫時期に祭田に幕を張り神楽神事を斎行したことから,幕田と改称したことが伝えられています。


398 4181 幕田星宮神社古墳5

 北西から見た幕田星宮神社古墳です。

 周囲を歩いてみたところでは、墳丘は南北に若干長くなっているようです。
 形状からして(根拠なく)、前方後円墳か帆立貝式前方後円墳の可能性もあるのかな?と感じました。

 『栃木県の神社』というHPによると、『角川地名大事典』に「星宮神社には前方後円墳がある」と書かれているそうです。この「星宮神社」が幕田の星宮神社であるか否かはよくわからないようですが、この古墳に関する文献が限られている中、とても興味深い記述です。。。


398 4181 幕田星宮神社古墳6

 北東から見た幕田星宮神社古墳です。

 思えば東武宇都宮線は、沿線にかなり多くの古墳が見えますね。
 この幕田星宮神社古墳の他に「坂下3号墳」や「亀塚古墳」も見えるし(かろうじて)、安塚の「十日塚古墳」、壬生の「愛宕塚古墳」もバッチリ見えるし。。。


398 4181 幕田星宮神社古墳7

 古墳の南西側にも小さな塚が1基あり、頂部には石碑が建てられています。(ちなみに、手前の猿田彦大神の石碑もわずかな高まりの上に祀られています。笑。)

 これは古墳ではないのかな。。。


398 4181 幕田星宮神社古墳8

 北東から見た塚の様子。


398 4181 幕田星宮神社古墳9

 真夏に訪れるとこーんな感じ。
 青々と稲穂が茂る田園の中にぽっかりと神社の杜が浮かんでいます。


398 4181 幕田星宮神社古墳10

 ここは、ひょっとしたら古墳跡なんじゃないかなあと睨んだ場所。
 あやしい。。。


398 4181 幕田町288番地の塚

 同じ幕田町内で見かけた塚状地形。
 塚上には祠が祀られています。


398 4181 大垣家の墓地内の塚

 塚跡ではないかと考えられる、個人の墓地となっている一角。
 小さな塚がまだ残されています。。。


398 4181 大垣家の墓地内の塚2

 残存する塚の様子。
 いや、塚を見かけていちいち立ち止まっていたらキリがないんですけどね。
 古墳ではなくて、ただ高まりが好きなだけなのかな。。。

<参考文献>
宇都宮市教育委員会『宇都宮の遺跡』
栃木県神社庁『栃木県神社名鑑』
宇都宮市教育委員会『宇都宮市遺跡分布地図』


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  1. 2021/02/22(月) 23:02:44|
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