
さて、この『古墳なう』は、「東京の失われた古墳を求めて」をテーマに(運動不足解消とダイエットも兼ねて)古墳探訪を行っていますが、たまに東京都外の古墳を見学に訪れることもあります。平成27年3月7日には川崎市高津区の「蟹ヶ谷古墳群」の現地見学会が行われ、見学に訪れました。小雨の降る残念な天候ではありましたが十分に楽しむことが出来ました。今回は番外編ということで紹介してみたいと思います。
川崎市は、多摩川流域遺跡群研究会(専修大学・日本大学)と連携して5年計画でこの「蟹ヶ谷古墳群」の調査研究を行い、平成26年度が3年目にあたります。これまでに3基の古墳の調査が進められており、このうち2基は円墳、1基は川崎市内で唯一現存する前方後円墳であることがわかっています。また、本年度の調査で新たに4号墳が発見されています。
画像が「蟹ヶ谷古墳群1号墳」を西から見たところです。平成24年度の測量調査により前方後円墳であることが確認されたのがこの古墳で、右奥が前方部、左手前が後円部です。現存する墳丘長は約27mですが、後円部が削られており、実際には30m以上の墳丘だと考えられています。今回の発掘調査の目的のひとつとして1号墳の墳丘の形態と主体部の状態の確認があったそうですが、見学会の当日までには埋葬施設は検出されなかったようです。

画像が1号墳の発掘のようすです。版築で築かれている断面をみることが出来ますね。
画像が2号墳です。測量調査の結果から直径約13mの円墳であると確認されています。昨年度の発掘調査成果を勘案する と、墳丘の直径が約20mであった可能性がでてきているそうです。
周溝のようすを見ることが出来ます。

画像が3号墳です。3号墳は南北約9m、東西約11mの円墳であると確認されています。この古墳は墳丘の西半分の傾斜が急で、当初に作られた墳丘がかなり削られているとみられているそうです。墳丘の東側に設けられたトレンチからは幅3mの周溝が見つかっており、墳丘の裾から2m近く外側に墳裾があらわれたことになるため、2号墳と同じく、墳丘の直径がさらに大きくなる可能性がでています。

古墳群の周辺を踏査した結果、4号墳が新たに確認されています。画像の手前の高まりが4号墳で、さらに4号墳の奥の高まりも古墳ではないかと考えられているそうです。

画像は、新たに確認された4号墳から出土した須恵器片です。発掘調査は来年遺構も継続して行われるそうですので、進展が楽しみですね。。
- 2015/03/22(日) 00:28:28|
- 川崎市の古墳・塚
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この日、実は私も行ってみようか迷っていたのですが仕事だったので最後の見学会にも間に合うかどうかで場所も不安だしやめてしまいました…ので行った気になって楽しませて頂きました。笑
こういう機会に足を運ぶのも中々素敵ですね◎
- 2015/03/30(月) 21:42:02 |
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- 紅一点 #-
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紅一点さま
いつもコメントありがとうございます。
東京都内では古墳の見学会などなかなかありませんので、当日は雨でしたが強行しました。笑。
発掘の様子を生で見ることができ、また学芸員の方の説明を聞けるのは楽しいものです。
- 2015/03/30(月) 23:21:33 |
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- ご〜ご〜ひでりん #hzwp2T5Q
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