古墳なう

ご〜ご〜ひでりんの古墳探訪記

「長谷小路周辺遺跡の石棺墓と土墳墓」

「長谷小路周辺遺跡の石棺墓と土墳墓」

 この「古墳なう」は"大都市東京の失われた古墳"をテーマに、古墳ではないかと考えられていた塚などを含めて東京都内の古墳を紹介していますが、今回はちょっと脱線して、神奈川県で発見された石棺墓を珍しくタイムリーに紹介したいと思います。

 画像は、鎌倉市由比ガ浜3丁目の「長谷小路周辺遺跡」で6月12日に行われた発掘現場見学会のようすを東から見たところです。この日は日曜日であるにもかかわらず朝早くからかなり大勢の見学者が訪れており、この遺跡への関心の高さが伺えます。この遺跡からは今回調査が行われたこの長谷小路周辺遺跡からは、古墳時代から鎌倉~室町時代にかけての遺構が発見されており、古墳時代からは、北に向かって下がる斜面から火を燃やした炉跡1箇所、埋没土器2基、散乱した土器、貝殻、軽石などが見つかっています。また、この斜面が海岸から吹き寄せた砂で1mほど埋まった後に、石棺墓1基、土墳墓1基、土坑などが見つかっているようです。


「長谷小路周辺遺跡の石棺墓と土墳墓」

 画像は発見された石棺墓のようすです。部分的に加工した泥岩を積み上げた中央に、長さ162cm、幅35cm、深さ45cmの埋葬施設を造り、床には砕かれた泥岩が敷かれています。上部には天井石が置かれていたそうですが、これは取り除かれているとのことでした。石には形を整えたとみられる工具痕が残されていたそうです。
 私は、海岸に沿う地域での見学会は初めてでしたが、掘られた土の色がとても印象的で、やっぱり砂なんだなあと思います。


「長谷小路周辺遺跡の石棺墓と土墳墓」

 画像は北西から見た石棺墓です。人骨がかなり良い状態で残されているようすがわかります。
 被葬者は、骨や歯の状況から15歳前後の身長は156.2cmの男性で、頭を南東に向けて仰向けで体を伸ばした仰臥伸展葬の姿勢をしています。ちなみに類例としては横須賀市久里浜の八幡神社遺跡で発見されており、神奈川県内では2例目となるようです。


「長谷小路周辺遺跡の石棺墓と土墳墓」

 画像が土墳墓のようすです。石棺墓の西側8.3mに位置しており、穴が掘られた中に、頭を東に向けて仰向けに体を伸ばして埋葬されています。埋葬された人物の年齢や性別は不明で、今後鑑定が行われるようです。


「長谷小路周辺遺跡の石棺墓と土墳墓」

 石棺墓の内部からは副葬品は見つかっていないが、盗掘の形跡はなく、元々なかったものと考えられているようです。
 見学会会場では多くの出土遺物が公開されていました。画像は土師器と須恵器の破片です。

<参考文献>
(株)斉藤建設 埋蔵文化財調査部『長谷小路周辺遺跡 発掘現場見学会 説明資料』


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  1. 2016/06/13(月) 02:07:29|
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「蟹ヶ谷古墳群」

「蟹ヶ谷古墳群」

 さて、この『古墳なう』は、「東京の失われた古墳を求めて」をテーマに(運動不足解消とダイエットも兼ねて)古墳探訪を行っていますが、たまに東京都外の古墳を見学に訪れることもあります。平成27年3月7日には川崎市高津区の「蟹ヶ谷古墳群」の現地見学会が行われ、見学に訪れました。小雨の降る残念な天候ではありましたが十分に楽しむことが出来ました。今回は番外編ということで紹介してみたいと思います。

 川崎市は、多摩川流域遺跡群研究会(専修大学・日本大学)と連携して5年計画でこの「蟹ヶ谷古墳群」の調査研究を行い、平成26年度が3年目にあたります。これまでに3基の古墳の調査が進められており、このうち2基は円墳、1基は川崎市内で唯一現存する前方後円墳であることがわかっています。また、本年度の調査で新たに4号墳が発見されています。

 画像が「蟹ヶ谷古墳群1号墳」を西から見たところです。平成24年度の測量調査により前方後円墳であることが確認されたのがこの古墳で、右奥が前方部、左手前が後円部です。現存する墳丘長は約27mですが、後円部が削られており、実際には30m以上の墳丘だと考えられています。今回の発掘調査の目的のひとつとして1号墳の墳丘の形態と主体部の状態の確認があったそうですが、見学会の当日までには埋葬施設は検出されなかったようです。


「蟹ヶ谷古墳群」


 画像が1号墳の発掘のようすです。版築で築かれている断面をみることが出来ますね。

「蟹ヶ谷古墳群」
 
 画像が2号墳です。測量調査の結果から直径約13mの円墳であると確認されています。昨年度の発掘調査成果を勘案する と、墳丘の直径が約20mであった可能性がでてきているそうです。
 周溝のようすを見ることが出来ます。


「蟹ヶ谷古墳群」

 画像が3号墳です。3号墳は南北約9m、東西約11mの円墳であると確認されています。この古墳は墳丘の西半分の傾斜が急で、当初に作られた墳丘がかなり削られているとみられているそうです。墳丘の東側に設けられたトレンチからは幅3mの周溝が見つかっており、墳丘の裾から2m近く外側に墳裾があらわれたことになるため、2号墳と同じく、墳丘の直径がさらに大きくなる可能性がでています。


「蟹ヶ谷古墳群」

 古墳群の周辺を踏査した結果、4号墳が新たに確認されています。画像の手前の高まりが4号墳で、さらに4号墳の奥の高まりも古墳ではないかと考えられているそうです。


「蟹ヶ谷古墳群」

 画像は、新たに確認された4号墳から出土した須恵器片です。発掘調査は来年遺構も継続して行われるそうですので、進展が楽しみですね。。

  1. 2015/03/22(日) 00:28:28|
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