
画像は、調布市国領6丁目の「国領南2号墳」所在地周辺を南西から見たところです。
この古墳は、平成8年(1996)に行われた京王バス車庫建設に伴う発掘調査により確認されています。調査当時すでに墳丘は存在せず、また主体部も検出されなかったようですので詳細はわからないようですが、周溝はほぼ全周にわたって検出しており、外径約12.5m、内径約9.5mの円墳であることがわかっています。
この古墳が属している「国領南遺跡」は、西側に隣接する「下布田遺跡」と比べると大規模な調査は少ないようです。京王バス車庫の東側、西側ともには畑地が多く残されているようですし、今後の調査の進展次第では未確認の古墳が発見される可能性は高いかもしれません。。。
<参考文献>
調布市教育委員会『埋蔵文化財年報 ―平成20年度(2008)―』
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- 2017/04/03(月) 01:13:10|
- 調布市/国領南古墳群
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調布市内の古墳は、多摩川中流域左岸の立川段丘縁辺部に古墳群を形成して分布しています。古墳群は東から(多摩川下流から)「国領南古墳群」、「下布田古墳群」、「上布田古墳群」、「下石原古墳群」、「飛田給古墳群」が存在します。残念ながら墳丘が残存する古墳はごく僅かで、発掘調査により周溝等の遺構が検出されたことにより存在が確認された古墳が大半を占めているようです。
画像は、調布市国領6丁目の「国領南1号墳」の所在地周辺を南東から見たところです。この古墳は、平成5年(1993)に調布市遺跡調査会により行われた発掘調査で周溝が検出されたことにより、存在が確認されています。『東京都遺跡地図』には、調布市の遺跡番号55番の古墳として登録されています。この幼稚園の敷地内が古墳の所在地となるようですが、入り口に蔵が残されているというなかなか印象的な幼稚園です。
墳丘や埋葬施設は消滅しているため詳細はわからないようですが、検出された周溝から外径約20mの円墳であることがわかっています。この古墳の周辺からは5世紀前半頃の方形周溝墓が検出されており、また東側の上ヶ給遺跡内からも方形周溝墓が検出されています。国領南古墳群内では、同じ地域に築造時期が近接する古墳と方形周溝墓が存在していたことがわかっています。

怪しい地形を見つけて河原石が散在していると立ち止まって見入ってしまうわけですが、いつか通報されてしまうかもしれません。。。
<参考文献>
多摩地区所在古墳確認調査団『多摩地区所在古墳確認調査報告書』
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- 2017/04/02(日) 00:36:37|
- 調布市/国領南古墳群
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