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古墳なう

「大都市、東京の失われた古墳を探せ!」をテーマに、 ご〜ご〜ひでりんが実際に現地に足を運んで確認した古墳や塚の探訪記録。

「針生古墳」ー郡山市指定史跡ー

「針生古墳」1

 画像は、郡山市静町に所在する「静御前堂」です。

 郡山市観光協会による説明板によると、このお堂は里人が静御前の短い命をあわれみ、その霊を祭ったのがこのお堂であると伝えられています。

 この敷地内には「針生古墳」という名称の古墳が1基残されています。


「針生古墳」2

 静御前は、平家滅亡後に頼朝に追われて奥州の藤原秀衡(ふじわらのひでひら)のもとに下った義経を慕って北に向かい、この地までたどり着きましたが、すでに義経は平泉にたったと聞き途方に暮れてついに池に身を投げたというう言い伝えがあるそうです。
 かつぎを捨てた所が「かつぎ沼」(大楠町南原地内)、身を投じた池が「美女池」(大楠町太田地内)であると伝えられています。

 お堂の背後に小さく古墳が見えています。。。


「針生古墳」3

 南西から見たところ。

 お堂の背後に見えるのが「針生古墳」です。


「針生古墳」4

 古墳は直径約13m、高さ3mの円墳です。

 静町を含む大楠地区にはかつては100基を超える古墳があり、一大古墳地帯をなしていたといわれています。出土品も数多く残されているようですが、現在はそのほとんどが破壊され、消滅してしまったようです。

 この古墳は静御前堂の境内にあり、信仰的な意味を持った特殊な位置にあったために破壊されずに残されたものと考えられます。


「針生古墳」5

 北東から見た針生古墳。

 ほぼ原型のまま残されたこの古墳は規模としては大きくないものの、この地域に群集していた古墳の面影を伝えるものとして貴重な存在と考えられています。

 昭和33年5月14日には、郡山市の史跡として指定されています。

 この古墳の南側付近は花輪台といわれ、瓦窯跡の存在が確認されています。
 また、土師器や須恵器なども出土しています。
 

「針生古墳」6

 画像は「蕎麦切りあなざわ」というお蕎麦屋さんです。

 針生古墳に隣接するという立地もさることながら、蕎麦好きのご〜ご〜ひでりんとしては、「この店は絶対に美味いぜ!」と読んで、お昼時に立ち寄りました。(^∇^)ノ
 

「針生古墳」7

 結論として、ここのお蕎麦、バカウマでした。

 色白な細麺で、爽やかな食感。
 最初は、お値段が少々お高めかな〜とも思いましたが、このお味でこの蕎麦の量であれば納得。

 何よりも場所が古墳のお隣ですからね!

 お薦めです。。。

<参考文献>
現地説明板


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  1. 2020/10/23(金) 21:04:29|
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「蝦夷穴横穴群」

「蝦夷穴横穴群」1

 今回は、福島県郡山市に所在する「蝦夷穴横穴群」です。

 この古墳について予備知識は全くなかったのですが、大安場史跡公園の見学の際、ガイダンス施設にてスタッフの方に存在をお聞きして、見学に訪れました。٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ ヤッタ~!


「蝦夷穴横穴群」2

 この横穴墓群は古くから知られた存在であったと考えられ、明治37年発行の「田村の誉」には「岩窟の数は凡十三箇所」とあり、蝦夷人の住居であると最近まで言い伝えられてきたそうです。

 平成13年9月には、市道拡張改良工事の際に切土法面の北側崖の部分より、新たに2基の横穴墓が発見され、「13号横穴」、「14号横穴」の発掘調査が実施されています。

 この2基の横穴からは太刀四振、刀子三本、ガラス製小玉四点が出土しています。


「蝦夷穴横穴群」3

 開口する横穴のうちの1基。
 何号墓なのか名称は不明。

 少々崩落が進んでいるようです。。。


「蝦夷穴横穴群」4

 開口する横穴のうちの1基。
 これも何号墓なのか名称は不明。
 新たに発見された2基の横穴墓は、出土した太刀の形態や製作技法から7世紀前半の築造と推定されています。


「蝦夷穴横穴群」5

 古墳の所在地には特に駐車場などは存在しないようですが、古墳の前に路駐してゆっくりと見学することができます。古墳の前には郡山市田村町観光協会による説明板が設置されています。

<参考文献>
現地説明板


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  1. 2020/10/22(木) 23:27:02|
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「大安場古墳と大安場古墳群」ー国指定史跡ー

「大安場史跡公園」

 今回は、郡山市田村町大善寺字大安場に所在する「大安場古墳群」の探訪の記録です。

 大安場古墳群は、前方後方墳である1号墳と4基の円墳で構成される古墳群です。

 1号墳、2号墳を含めた2.3haが平成12年に国史跡に指定されており、また1号墳や頂上に立ち並んでいたと思われる壺などの出土品が、平成15年に福島県の重要文化財に指定されています。

 国指定史跡に指定されている1号墳と2号墳は築造当時の姿に復元されており、平成21年4月4日に「大安場史跡公園」として整備、公開されています。


「大安場古墳(1号墳)」1

 公園内には駐車場も併設されており、車で訪れることができます。

 駐車場から見上げると、すでに前方後方墳である「1号墳」の勇姿が見られます。
 ワクワクしますねー。笑。

 盆地を見下ろす台地の先端に築造されており、葬られた被葬者の権力の大きさを感じることができます。


「大安場古墳(1号墳)」2

 古墳が所在する丘陵先端に向かって階段を登ります。
 木々の合間から顔を覗かせる1号墳です。
 ドキドキする瞬間です。。。


「大安場古墳(1号墳)」3

 これが1号墳である「大安場古墳」です。
 なんと素晴らしき光景。。。

 栃木県那須には「上侍塚古墳」や「下侍塚古墳」といった大型の前方後方墳が、また宮城県名取市には東北地方最大の前方後円墳である「雷神山古墳」があります。岩手県奥州市には最北の前方後円墳である「角塚古墳」があります。
 これに対して、これらの地域を結ぶ福島県中通りには大きな古墳が存在しなかったことから「古墳文化の通り道」と言われてきたそうです。

 しかしその後、この不思議な形状の山が古墳であることがわかり、1号墳である前方後方墳が「大安場古墳」、そして周囲にある4基の円墳も含めて「大安場古墳群」と命名されます。
 平成6年のことです(意外なほど最近だよ〜…)。


「大安場古墳(1号墳)」4

 北東から見た大安場古墳。右手前が前方部、左奥が後方部です。

 発掘調査は平成8年度から10年度、同14年度から16年度の6回にわたって行われています。
 この調査により1号墳は全長約83メートルと東北地方では最大の前方後方墳で、南に延びる尾根を堀のように切って区画していることや、表面の柔らかい土を取り除いた後にある部分は削り、ある部分は土を積んで形を整えていること、また墳丘は前方部が二段に、また後方部は三段に造られていることなどがわかりました。


「大安場古墳(1号墳)」5

 真横から見ると、前方後方墳の形状がもっとも感じられますね。
 右が前方部、左が後方部です。

 古墳の周囲の伐採から始めて古墳が完成するまでに費やした時間は、ピーク時に1日100人が働いたと仮定して、約200日かかったと推定されるそうです。
 これだけの人と時間を費やして古墳を築造することができる被葬者がどんな人物であったのか、とても興味深いですよね。。。


「大安場古墳(1号墳)」6

 墳丘の北側、前方部側から階段を登って、墳丘の上に登ってみましょう。。。


「大安場古墳(1号墳)」7

 前方部から後方部を見たところです。
 丘陵の形状に合わせて築造されているので、墳丘は左右対称になっていません。
 このあたり、私的には長野の「森将軍塚古墳」を連想してしまいます。。。


「大安場古墳(1号墳)」8

 後方部から前方部を見たところ。

 墳丘頂部に壺のような形状の土器が並べられています。
 円筒埴輪ではないようですし、最初は「なんだろう?」と不思議に思いました。

 これらは「底部穿孔壺」と呼ばれるもので、表面に赤いベンガラが塗られた、丸い胴に二段の長い口がついたものと、幅のある口に細長いミミズのようなものが張り付いているものと二種類が存在するそうです。
 「土器」というよりは「埴輪」に分類されており、古墳に並べるために造られていることから「埴輪壺」とも呼ばれています。

 神聖な場所を区画したり守ったりするために立てられたと考えられています。


「大安場古墳(1号墳)」9

 墳頂部には、説明文が書かれてた石碑とともに、地面に棺が埋葬された場所が記されています。
 幅約2m、長さ約10mの底に粘土を敷いて、そこに長さ約9m、幅約1mの丸太を利用した木簡が納められていたと考えられています。木棺はすでに朽ち果ててなくなっていましたが、木棺の内部跡からは大刀・槍・剣・鎌・鉄斧といった副葬品が出土しています。


「大安場古墳(1号墳)」10

 古墳の主が埋葬されたと考えられる推定位置が記されています。
 人型が記されていると、ちょっと生々しい印象ですね。。。


「大安場古墳(1号墳)」12

 大安場史跡公園ガイダンス施設には、木棺のレプリカが展示されています。
 後方部は、本来の高さから約1.5mほど削り取られていたことから、表土下20〜30cmで木棺を据えた粘土が見えてきたそうです。
 つまりは、あと20〜30cmほども削平されていれば埋葬施設も副葬品も残らなかったと想定され、まさにギリギリ間一髪のところで埋葬施設と副葬品が残されたということになります。


「大安場古墳(1号墳)」13

 副葬品から想定される古墳の被葬者は、大和の王から受けたと考えられる腕輪形石製品を持ち、武力に長けた、農耕を取り仕切った人物と推定されているそうです。
 副葬品の配置などから、埋葬されたのは一人説と二人説があるようですが、真相はわかっていないようです。。。


「大安場古墳(1号墳)」14

 同じく、ガイダンス施設で公開されている「底部穿孔壺」です。


「大安場古墳(1号墳)」11

 大安場古墳の墳頂部から見た、郡山市街地の様子です。
 古墳時代にも、きっと誰かが古墳の上から街を見下ろしていたはず!
 どんな光景が見られたのか、ロマンが広がります。。。
 

「大安場2号墳」

 画像は「大安場古墳群2号墳」。
 直径約15mの円墳で、5世紀後半の築造と推定されています。

 この2号墳の発掘調査は石棺の蓋石を確認したところで終了しており、その後は保存のために埋め戻されれたため、石棺内部の様子や副葬品についてはわかりません。
 墳丘は調査時にはすでに削平されており、古墳であると判別できるほどの高さは残されていなかったようです。


「大安場3号墳」

 「3号墳」は発掘調査が行われていないため、詳細はわかりません。
 全体の半分ほどしか残されていないようです。


「大安場4号墳」

 「4号墳」です。
 高まりの一部しか残されていない古墳ですが、調査により周溝が検出されており、円墳であると考えられています。


「大安場5号墳」

 「5号墳」は、4号墳の調査の際に周溝が検出されて存在が判明したという古墳で、墳丘がすでに削平されていることから表面観察により古墳を判別することはできません。
 直径約12mの円墳であるようです。


 私はこの大安場古墳群の見学のために、初めて福島県を訪れました。
 空気のきれいな、とっても素敵なところです。

 この旅の途中でとんでもなく美味い蕎麦を食することになるのですが、それはまたいずれ。。。

<参考文献>
郡山市教育委員会『大安場古墳と郡山の古墳時代』
現地説明板


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  1. 2020/10/20(火) 23:20:28|
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