
いやはや、降りましたね、大雪。
今日は特別編ということで、雪の野毛大塚古墳です。。。

4年前に、同じように大雪が降ったときには、府中の熊野神社古墳を見にいったのですが。
次に大雪が降ったら、必ず野毛大塚を撮りにいこうとずっと待っていたのです。。。

純白に染まった前方後円墳の背後に澄み渡る青空!
そんなのを思い描いてました。笑。

今日を逃したら、チャンスは一生来ないぜ、と。

足跡ひとつないピカピカの墳丘を目指したんですけどね。
ちゃんと先客がいるんですわ、これが。。。

埴輪の復元の予定はないみたいですね、今のところ。。。

さよなら。
また来るから。
人気ブログランキングへ
- 2018/01/24(水) 00:03:27|
- 世田谷区/野毛古墳群
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4

野毛大塚古墳シリーズ最終回は、復元された埴輪が取り払われてさっぱりしてしまった野毛大塚古墳の最新画像です。
復元された埴輪は有田焼で、バブルの時代に3000万円ほどをかけて復元したと聞いた記憶があるのですが、子供達が飛んだり跳ねたりして遊び回っている公園内で、埴輪は激しく破損していました。これからあらためて復元が行われるのかどうか楽しみに待ちたいところですね。
野毛大塚古墳は、武蔵国で最初に葺石が葺かれた古墳であるといわれており、古墳の表面はすべて多摩川の自然石を使用した葺石で覆われていたといわれています。これを機にテニスコート側や道路側の墳丘も整備して、葺石の復元も願いたいところです。(無茶ですね。笑。)
大正の頃には、この野毛大塚古墳の墳丘上から遠く品川の海まで見渡すことが出来たそうです。なかなかこう、現代は見通しの良くない時代なのかも知れませんね。。。
人気ブログランキングへ
- 2018/01/09(火) 23:30:35|
- 世田谷区/野毛古墳群
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0

野毛大塚古墳の所在する、世田谷区野毛1丁目の玉川野毛町公園では毎年10月に「野毛古墳まつり」が開催されています。世田谷区学芸員の先生の古墳解説があり、野毛古墳群を実際に散策しての古墳群解説ありと、なかなか中身の濃いお祭りです。
画像は、「第8回野毛古墳まつり」が行われた平成27年10月18日の野毛大塚古墳です。古墳の横に見えるマスコットは、東急電鉄のキャラクターの「のるるん」が見えます。当日は多くの子供達が、このキャラクターの中で遊んでいました。

野毛大塚古墳や、周辺古墳から出土した遺物が展示されています。
画像は、復元された「甲冑」です。野毛大塚古墳の中央の棺にのみおさめられていたもので、鉄の板と帯を革でつなぎ合わせて作られているそうです。鉄製の甲冑は当時の王の権力を示す最も重要なもので、当時の最高権力者である倭の大王から配布されたと考えられています。

画像は、野毛大塚古墳から出土した円筒埴輪と柵形埴輪です。

毎回必ず行われているのが「野毛大塚古墳と古墳群解説」です。世田谷区学芸員の寺田先生による解説はいつも充実した内容で、古墳好きには必聴ですね。皆さんいつも真剣に聞き入っています。。。

「野毛古墳群散策」では、「等々力渓谷横穴墓群」や「御岳山古墳」、「狐塚古墳」等を、やはり学芸員の先生による解説を聞きながら散策します。通常は立ち入ることの出来ない御岳山古墳の墳丘も、この日は見学が許されます。画像は、平成24年(2012)の第5回野毛古墳まつりにて撮影した、御岳山古墳の墳頂部のようすです。

「古代体験コーナー」では、子供達が楽しそうに土器作りに励んでいます。

毎年少しずつ盛り上がっているように感じますが、今年はどうなるのか楽しみですね。。。
人気ブログランキングへ
- 2018/01/08(月) 23:24:47|
- 世田谷区/野毛古墳群
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4

「野毛大塚古墳」は、世田谷区野毛1丁目の玉川野毛町公園内に所在する、5世紀に築造された帆立貝式前方後円墳です。閑静な住宅街に保存されているこの古墳は全長82メートルを誇る、都内でも有数の規模を誇ります。墳頂部には第1~第4主体部と呼ばれる四つの埋葬施設が確認されています。

平成元年(1989)から平成4年(1992)にかけて発掘が行われた第1、第3、第4主体部からの出土品は世田谷区教育委員会が所蔵しており、平成28年(2016)に重要文化財に指定されています。そして、大半が東京都国立博物館に所蔵されているという、明治30年(1897)に第2主体部である箱形石棺から出土した副葬品が、新たに平成29年(2017)に重要文化財に指定されています。これらの出土品が、平成29年7月11日から9月10日にかけて、東京都国立博物館平成館の企画展示室にて公開されていました。


写真上は「滑石製模造品」です。木器や鉄器、土器などの器物を滑石という柔らかい石材で模造したもので、水の祭祀にかかわるこの滑石製模造品は出土例が少なく、貴重であるようです。
写真下は「滑石製下駄」で、木製の下駄を模造したものです。槽で清められた水を汚さないようにするため、祭祀の執行者が木製下駄を履いたのではないかといわれているそうです。


写真上は「滑石製皿」です。皿形の木器などの容器がモデルだそうです。
写真下は「滑石製坩」です。滑石製皿とともに、祭祀の際に、神に捧げる飲食物を入れるための容器を模造したと考えられています。

画像は「滑石製鎌」と「滑石製斧」です。祭祀の際に、これらの農具を使って、豊作を願ったのでしょうか。。。

画像はちょっとわかり難いですが、左から「碧玉管玉」、「ガラス小玉」、「瑪瑙勾玉」が写っています。すべて、首飾り等として身に着けるための装身具の滑石製の模造品です。

画像は、滑石製刀子がずらりと並んでいます。代表的とされる20種類が展示されていました。野毛大塚古墳の第2主体部からは232点以上も出土しており、一つの埋葬施設からの出土量としては東日本で最多です。


画像上が「鉄刀残欠」下が「鉄剣残欠」です。東京都国立博物館には鉄刀が6本、鉄剣が3本残っているそうです。甲冑や大量の武器は、近畿地方の百舌・古市古墳群に代表されるヤマト王権との深いつながりが、入手の背景にあったと考えられているそうです。。。

画像は「円筒埴輪残欠」です。野毛大塚古墳は、円筒埴輪、朝顔形埴輪、鰭形円筒埴輪が墳丘の各テラスを巡っていました。前方部には家型埴輪、壺形埴輪、水鳥形埴輪が、造出部には柵形埴輪が取り囲み、内部には鳥形埴輪や家型埴輪が置かれていたそうです。

国立博物館は、展示品は見やすいし解説は読みやすいし、いつもあっというまに時間が過ぎてしまいます。展示品の高さとか角度とかデザインとか、すべてが計算されているのですよね、きっと。特に、平成館は私にとっては見どころが満載で、いつも時間が足りなくなってしまいます。
以下、「野毛大塚古墳(西岡8号墳)」その4に続く。。。
<参考文献>
東京国立博物館『特集 新指定 重要文化財 野毛大塚古墳ー世田谷の中期古墳ー』
世田谷区立郷土資料館『国重要文化財指定記念 野毛大塚古墳展』
人気ブログランキングへ
- 2018/01/07(日) 00:56:28|
- 世田谷区/野毛古墳群
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0

野毛大塚古墳の出土品は、平成28年に国の重要文化財として一括指定されました。世田谷区世田谷1丁目の世田谷区郷土資料館では、平成28年10月25日(火)から12月4日(日)にかけて特別展、「国重要文化財指定記念 野毛大塚古墳展」が行われ、初公開となる資料も含む150点あまりの出土品が公開されています。
私は、この特別展には平日の朝方に訪れました。時間が早かったせいか見学に訪れる人の数は少なく、ほぼ貸し切り状態でゆっくりと見学することができました。

築造途中の、野毛大塚古墳のミニチュア模型が置かれていました。
帆立貝形という墳形は、百舌鳥・ 古市古墳群の超大型古墳の周辺に造営された中小古墳に採用された形状で、この墳形は、大型前方後円墳の被葬者に次ぐ地位の人物のさらにその下に位置する人物が埋葬される古墳に採用される形態なのだそうです。野毛大塚古墳の被葬者と畿内政権との密接な関係を窺わせる墳形です。。。

野毛大塚古墳出土の埴輪で、二つとも円筒埴輪です。これはどちらもよく見る形状ですね。

同じく野毛大塚古墳出土の埴輪です。左から朝顔形円筒埴輪、鰭付円筒埴輪、柵形埴輪です。
柵形埴輪は、畿内を中心に見られる特殊な埴輪で、上端に山形突起をもつ柵形埴輪の特徴が、畿内周辺に多く出土している囲形埴輪の特徴と一致しており、またその出土位置がほぼ造出の周辺に限定されることなど、多く共通点のあることがわかっているそうです。
画像は、第1主体部から出土した内行花文鏡です。直径11.5cmで、棺内の被葬者の肩部付近と思われる場所の右側に、鏡面を内側に向けた状況で置かれていたそうです。
埋葬施設は、すでに発見されていた組合せ式の箱形石棺である第2主体部とは別に、中央部に第1主体部(粘土槨、割竹形木棺)、その北西側に第3主体部(箱形木棺)、さらにその北西に第4主体部(木棺)と、計4基の存在が明らかになっています。

同じく、第1主体部から出土した鉄刀・鉄剣・鉄槍です。
第1主体部には刀剣類17点、第3主体部には33点が副葬されており、第2主体部の9点、第4主体部の2点と合わせて計61点の鉄製武器の出土は、これまでに知られる関東の古墳の中でも類を見 ない豊富さです。盗掘が行われずに残されていたことも貴重ですね。

第3主体部より出土した鉄刀・鉄剣です。
以下、「野毛大塚古墳(西岡8号墳)」その3に続く。。。
<参考文献>
世田谷区立郷土資料館『国重要文化財指定記念 野毛大塚古墳展』
世田谷区郷土資料館『資料館だより No.65』
人気ブログランキングへ
- 2018/01/04(木) 23:43:10|
- 世田谷区/野毛古墳群
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2