
画像は、調布市布田6丁目の「下布田17号墳」の跡地周辺を北から見たところです。この17号墳は下布田古墳群中の西端に位置しており、墳丘がすでに失われていたものの、平成22年(2010)に行われた宅地造成工事に伴う発掘調査において周溝の一部が検出されたことにより、その存在が確認されています。古墳は約4分の1ほどが調査されており、外径約36.2m、内径約28.4mの円墳と推定される、下布田古墳群中かなり大型の部類に入る古墳です。埋葬施設は調査区外であったため不明で、須恵器坏や須恵器甕、土師器等が出土しています。
古墳の所在地はY字路の道路の間の三角地となっており、この道路の形状は、古墳が残存していた頃の名残ではないかとも考えられているようです。「布田九塚」のうちの1基とされる「釈迦塚」がこの17号墳である可能性も大いに考えられるところですが、真相は発掘が行われていない空白地帯の調査を待ちたいところです。。。
<参考文献>
株式会社 盤古堂『下布田古墳 ―第98地点(共同住宅・宅地造成工事)の調査―』
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- 2017/03/18(土) 00:04:00|
- 調布市/下布田古墳群
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「下布田古墳群」は、調布市南端を画する多摩川左岸、武蔵野台地立川段丘面縁辺に所在する古墳群です。周辺では縄文時代及び古墳時代から中近世にかけての遺構や遺物が検出されており、17基の古墳が確認されています。
画像は、調布市布田3丁目の「下布田16号墳」の跡地周辺を南西から見たところです。この古墳は、下布田古墳群中の北端に位置しており、平成18年(2006)に行われた店舗建設に伴う発掘調査により周溝の一部が検出されたことにより、その存在が確認されています。古墳の規模は外周径40mの円墳と推定されており、周溝より須恵器・長頸壺の破片が一点出土しています。画像の、品川道からコンビニエンスストアの駐車場にかけて古墳が存在したと思われますが、やはりこの古墳も痕跡を見ることは出来ません。
この16号墳は、帯状に分布する古墳群中北側に離れた位置に存在していることから、まだ調査が行われていない空白域に古墳が存在する可能性も想定されます。今後の調査が楽しみな地域ではないでしょうか。。。
<参考文献>
調布市教育委員会『埋蔵文化財年報 ―平成18年度―』
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- 2017/03/17(金) 01:04:55|
- 調布市/下布田古墳群
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「下布田古墳群」は、調布市布田6丁目に分布する古墳群です。この古墳群は北西から南東にかけて帯状に分布しており、埋没谷の北縁に沿うように古墳が築造された結果だと考えられているようです。
画像は、調布市布田6丁目の「下布田15号墳」の跡地周辺を南西から見たところです。この15号墳は古墳群中最も東に位置しており、平成17年(2005)に行われた宅地造成工事に伴う発掘調査により周溝が検出され、その存在が確認されています。墳形は円墳で、円筒埴輪片と少量の形象埴輪片(人物・馬)が検出されています。これらの遺物は、7世紀代の所産と考えられているようです。
当然ながらこの古墳も、地上に痕跡を見ることは出来ません。。。
<参考文献>
調布市教育委員会『埋蔵文化財年報 ―平成17年度―』
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- 2017/03/16(木) 00:17:11|
- 調布市/下布田古墳群
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多摩川中流域左岸に立地するこの一帯は「下布田遺跡」と呼ばれており、縄文時代から古墳時代、奈良・平安時代の集落、太平洋戦争に関連する遺構などが発見されています。遺跡東部の約5000㎡の区域が、縄文時代晩期の数少ない遺跡として昭和62年に国史跡として指定されており、その北側に、古墳が帯状に集中して造られた下布田古墳群が所在します。これまでに14基の古墳が確認されており、これらの古墳は5世紀前半に造られ始め、7世紀前半まで続いたことがわかっています。
画像は、調布市布田6丁目にある「下布田14号墳」の跡地を北から見たところです。この14号墳のみ、古墳であると断定はされていないようですが、トレンチ内から検出された溝が古墳の周溝ではないかと考えられているようです。この古墳も、立川段丘上の府中崖線縁辺部に存在したようすがわかると思います。規模は、推定外径約25m、内径は約18mで、土師器坩3点が出土しています。5世紀前半の築造と考えられているようです。

この土師器坏は、府中市小島町の調布市郷土博物館に展示、公開されています。
<参考文献>
調布市郷土博物館『下布田古墳群の調査』2003
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- 2015/12/24(木) 00:02:52|
- 調布市/下布田古墳群
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多摩川中流域左岸に立地するこの一帯は「下布田遺跡」と呼ばれており、縄文時代から古墳時代、奈良・平安時代の集落、太平洋戦争に関連する遺構などが発見されています。遺跡東部の約5000㎡の区域が、縄文時代晩期の数少ない遺跡として昭和62年に国史跡として指定されており、その北側に、古墳が帯状に集中して造られた下布田古墳群が所在します。これまでに14基の古墳が確認されており、これらの古墳は5世紀前半に造られ始め、7世紀前半まで続いたことがわかっています。
画像は、調布市布田6丁目にある「下布田14号墳」の跡地を北から見たところです。この古墳も墳丘はすでに存在しない古墳で、埋葬施設は確認されず、発掘調査により周溝の約3分の1が調査されています。規模は内径18,2m、外径27,2m、周溝の幅は3.4~4.9mの円墳で、周溝から須恵器甕が出土しています。この出土遺物により、古墳は6世紀前半以前に築造されたと推定されています。
この12号墳は「狐塚」と呼ばれた下布田6号墳の西側に重なるように存在しており、現在も畑地となっていますので恐らくは地中に周溝が残されているものと思われますが、残念ながら古墳の痕跡を見ることは出来ません。。。
<参考文献>
調布市郷土博物館『下布田古墳群の調査』2003
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- 2015/12/23(水) 00:32:17|
- 調布市/下布田古墳群
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多摩川中流域左岸に立地するこの一帯は「下布田遺跡」と呼ばれており、縄文時代から古墳時代、奈良・平安時代の集落、太平洋戦争に関連する遺構などが発見されています。遺跡東部の約5000㎡の区域が、縄文時代晩期の数少ない遺跡として昭和62年に国史跡として指定されており、その北側に、古墳が帯状に集中して造られた下布田古墳群が所在します。これまでに14基の古墳が確認されており、これらの古墳は5世紀前半に造られ始め、7世紀前半まで続いたことがわかっています。
画像は、調布市布田6丁目にある「下布田14号墳」の跡地を北から見たところです。この古墳も墳丘はすでに存在しない古墳で、埋葬施設は確認されず、発掘調査により周溝の約3分の1が調査されています。規模は内径14,2~15m、外径18,5~19m、周溝の幅は約2.2mのブリッジ付円墳で、周溝から土師器坩が出土しています。この古墳は、埋葬施設が検出されなかったことや、出土した土師器坩により、5世紀前半以前に築造されたと推定されています。
この11号墳は画像の道路のちょうど中央あたりに存在したようですが、残念ながら古墳の痕跡を見ることは出来ません。。。
<参考文献>
調布市郷土博物館『下布田古墳群の調査』2003
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- 2015/12/22(火) 00:42:25|
- 調布市/下布田古墳群
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多摩川中流域左岸に立地するこの一帯は「下布田遺跡」と呼ばれており、縄文時代から古墳時代、奈良・平安時代の集落、太平洋戦争に関連する遺構などが発見されています。遺跡東部の約5000㎡の区域が、縄文時代晩期の数少ない遺跡として昭和62年に国史跡として指定されており、その北側に、古墳が帯状に集中して造られた下布田古墳群が所在します。これまでに14基の古墳が確認されており、これらの古墳は5世紀前半に造られ始め、7世紀前半まで続いたことがわかっています。
画像の道路の中央、ちょうど突き当たり辺りが「下布田10号墳」の跡地です。この古墳も墳丘がすでに存在しない古墳で、埋葬施設である河原石積横穴式石室が調査されています。埋葬施設は撹乱を受けており、側壁の一部と礫床が確認されたのみですが、石室内からは鉄製の柄頭と思われる刀飾りが出土しています。推定規模は内径14m、外径22.4m、周溝の幅4約mほどで、古墳の築造は6世紀後半以降と推定されています。
また、画像の道路の左側辺りが「下布田13号墳」の跡地です。やはりこの古墳も墳丘はすでに存在せず、発掘調査により周溝の一部が検出されています。推定規模は内径13.1m、外径20mのブリッジ付円墳で、陸橋部付近から土師器埦が出土しています。この出土遺物により、古墳の築造は6世紀前半頃と推定されています。2基の古墳ともに現在は宅地や道路となっており、古墳の痕跡は何も残されていないようです。。。
<参考文献>
調布市郷土博物館『下布田古墳群の調査』2003
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- 2015/12/21(月) 00:28:17|
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多摩川中流域左岸に立地するこの一帯は「下布田遺跡」と呼ばれており、縄文時代から古墳時代、奈良・平安時代の集落、太平洋戦争に関連する遺構などが発見されています。遺跡東部の約5000㎡の区域が、縄文時代晩期の数少ない遺跡として昭和62年に国史跡として指定されており、その北側に、古墳が帯状に集中して造られた下布田古墳群が所在します。これまでに14基の古墳が確認されており、これらの古墳は5世紀前半に造られ始め、7世紀前半まで続いたことがわかっています。
画像は「下布田9号墳」の跡地を南から見たところです。手前の畑から奥の道路にかけてが古墳の跡地となるようですが、この古墳も墳丘はすでに存在しない古墳で、道路の部分から検出された周溝の約2分の1が調査されています。模は内径22.8~23.6m、外径30.5mのブリッジ付円墳で、周溝から土師器壺や坩が出土しています。埋葬施設も確認されなかったようですが、周溝内土坑(周溝の中に築かれた埋葬施設)が5ヶ所確認されています。この古墳の築造は5世紀前半と推定されています。
この11号墳は畑や道路の地中に周溝が残されているのではないかと思われますが、残念ながら地上に古墳の痕跡を見ることは出来ません。。。

画像は、下布田9号墳の周溝内から出土したという土師器壺です。調布市小島町の調布市郷土博物館に展示されています。
<参考文献>
多摩地区所在古墳確認調査団『多摩地区所在古墳確認調査報告書』
調布市郷土博物館『下布田古墳群の調査』2003
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- 2015/12/20(日) 00:28:36|
- 調布市/下布田古墳群
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多摩川中流域左岸に立地するこの一帯は「下布田遺跡」と呼ばれており、縄文時代から古墳時代、奈良・平安時代の集落、太平洋戦争に関連する遺構などが発見されています。遺跡東部の約5000㎡の区域が、縄文時代晩期の数少ない遺跡として昭和62年に国史跡として指定されており、その北側に、古墳が帯状に集中して造られた下布田古墳群が所在します。これまでに14基の古墳が確認されており、これらの古墳は5世紀前半に造られ始め、7世紀前半まで続いたことがわかっています。
「下布田8号墳」は調布市下布田6丁目にある古墳で、『東京都遺跡地図』には調布市の遺跡番号54-9番の古墳として登録されています。この8号墳も、明治初年の地籍図の下布田字はけ上377番の地点に古墳ではないかと思われる区画があり、古墳の存在が想定されていた地点です。画像の道路中央あたりが古墳の跡地でこの道路から周溝の東側と西側が調査されており、規模は内径25.8m、外径38m、周溝の幅は6.6~7.0mの、南西部に陸橋を持つブリッジ付円墳と推定されています。周溝から土師器や須恵器、石製品等が出土しています。
この古墳も残念ながら痕跡は何も残されていないようです。。。
<参考文献>
多摩地区所在古墳確認調査団『多摩地区所在古墳確認調査報告書』
調布市郷土博物館『下布田古墳群の調査』2003
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- 2015/12/18(金) 09:50:58|
- 調布市/下布田古墳群
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多摩川中流域左岸に立地するこの一帯は「下布田遺跡」と呼ばれており、縄文時代から古墳時代、奈良・平安時代の集落、太平洋戦争に関連する遺構などが発見されています。遺跡東部の約5000㎡の区域が、縄文時代晩期の数少ない遺跡として昭和62年に国史跡として指定されており、その北側に、古墳が帯状に集中して造られた下布田古墳群が所在します。これまでに14基の古墳が確認されており、これらの古墳は5世紀前半に造られ始め、7世紀前半まで続いたことがわかっています。

明治初年の地租改正の際に作成された『地籍図』には、現在削平されてしまった古墳ではないかと思われる地割りが残されています。この周辺の地割りは長方形か方形の整然とした区画が基本であるようですが、この中に不規則に小さな区画を見ることができ、この地籍図が作成された時点では古墳の墳丘の高まりが残されていたのではないかと考えられています。
「下布田7号墳」は、この地籍図の下布田字はけ上365番の地点に区画が見られ、古墳の存在が想定されていた地点です。
その後、近年に行われた発掘調査により周溝の一部が検出され、外径22m、内径15.2mの円墳であることがわかっています。調査当時、埋葬施設が存在すると思われる場所が塚状に盛り上がっていたそうですが、試掘を行った結果は埋葬施設や墳丘は残存せず、この高まりや試掘溝の中から挙大の礫が混ざっていたことから埋葬施設は竪穴式の礫郭であったと考えられているようです。
画像は、調布市布田6丁目にある「下布田7号墳」の跡地を南から見たところです。『東京都遺跡地図』には調布市の遺跡番号54-7番の古墳として登録されています。墳丘が存在したとされる場所には現在でも微妙な高まりが残されていますが、古墳といえる痕跡は何も残されていないようです。。。
<参考文献>
多摩地区所在古墳確認調査団『多摩地区所在古墳確認調査報告書』
調布市郷土博物館『下布田古墳群の調査』2003
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- 2015/12/17(木) 00:33:51|
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