
今回から、狛江市の古墳最新レポート!ということで、いくつかの古墳を紹介していこうと思います。
狛江市内の古墳は、これまで自分なりに細かく調べて、何度も現地を散策しましたが、近年は多くの古墳について発掘調査が進み、整備も進んで状況に変化が見られます。
昨年、あらためて狛江の古墳を見ておきたいという思いと、学芸員の先生のお話を直接聞きながら見学できるということで、東京文化財ウィークの狛江市の企画事業「狛江の古墳を歩こう」に参加しました。
当日、学芸員の先生にどこの古墳を廻るのかお尋ねしたところ、「飯田塚古墳」の名が出てきて「えええええええええっ!」と叫んでしまいました。笑。
実はこの古墳、狛江市内で唯一お目にかかることができなかった古墳です。数年前に一度、飯田塚の所在地ではないかと推測した個人宅を訪ねてみたことがあるのですが、残念ながらお留守で見学の許可を得られず、しかも敷地内を見渡しても古墳らしき高まりは見受けられず、ひょっとしたらもう壊されてしまったのかな?とすごすごと帰宅しました。
そんな飯田塚古墳を見学できるということで、古墳めぐりの当日はテンションが上がりっぱなしでした。
画像は、飯田塚古墳を南から見たところです。

ちょっと角度を変えて、南東から見た飯田塚古墳です。
古墳めぐりの当日は見学の時間が限られていたので、後日あらためて訪れてみたのですが、現場の方に許可を得て近くでゆっくりと見学することができました。
50mほど西側には「白井塚古墳」が残存しており、2基の古墳は「宮前遺跡」内に所在します。この遺跡は調査の機会が多くないことから詳細はわからないようですが、昭和51年には白井塚古墳の発掘調査が行われており、古墳の周溝に切られる古墳時代前期から中期の住居跡が確認されています。周囲には、古墳時代の集落跡が存在していると推定されているようです。

さらにちょっと角度を変えて、南西から見た飯田塚古墳です。
古墳の位置をグーグルマップで確認しましたが、以前訪ねた個人宅の敷地内ではなく、おそらくは敷地の外の塀沿いにあったのでしょうね。古墳の場所が林の中で、藪になっていたので気がつかずに通り過ぎてしまったのかもしれません。。。

西から見た飯田塚古墳です。
墳丘は東側と西側が削られており、南北に長い形状となっています。

墳丘上の様子です。
鳥居が建てられており、お稲荷さんの祠が祀られています。

ちょっと角度を変えて、南西から見た墳丘上の様子です。

墳丘上には河原石が見られます。
ひょっとしたら埋葬施設に使われた石材で、多摩川から運ばれたものなのでしょうか。。。

古墳に隣接する、第4地点の発掘調査の様子です。
この地点からは遺構、遺物が検出されなかったことから、飯田塚古墳は周溝の外周を含めても径25m以下の規模であると想定されているようです。

その後、年が明けて暖かくなってから再度訪れてみたところ、衝撃的な光景が!すでに周囲は宅地化が進み、細い参道を進んだ奥に、さらに小さくなった飯田塚古墳の姿がわずかに見えます。

お稲荷様も、なんだかちょっと窮屈そうですね。
消滅せずに残されただけでも良しとしなければならないところかもしれません。
せめて説明板が設置されれば良いなあと思うのですが、近隣の方々が古墳があることを認識するのは大事なことだと思うし、文化財保護の意識も高まりますしね。
<参考文献>
狛江市教育委員会『市内遺跡発掘調査報告書Ⅵ 平成26〜29年度』
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- 2019/09/05(木) 02:19:31|
- 狛江市/狛江古墳群(和泉)
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こんにちわ。
狛江では猪方小川塚古墳が保存される一方で、これまであった他の古墳の景観が変わりつつあるのですね。飯田塚の写真は貴重なものだと思います。
- 2019/09/08(日) 07:58:16 |
- URL |
- kame-naoki #-
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kame-naokiさま、こんばんは!
狛江市内は、急速に開発が進んでいるイメージがああります。飯田塚は、タイミングよく古墳巡りの企画に参加して、ラッキーでした。笑。
今後、猪方小川塚や亀塚、白井塚などの公園整備が進むようなので、2年後くらいに巡ると整備が終わって見応えがあるのではないかと思います。。。
- 2019/09/09(月) 01:15:06 |
- URL |
- ご〜ご〜ひでりん #G67hs.TE
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