「西岡52号墳」

「西岡52号墳」は、大田区田園調布本町に所在したとされる古墳です。『東京都遺跡地図』には大田区の遺跡番号53番の古墳(円墳)として登録されています。
この古墳も、田園調布古墳群中の多くの古墳と同様に、すでに開発により消滅しています。
1930年代当時、大田区立郷土博物館の館長を努める西岡秀雄氏により行われた荏原台古墳群の分布調査により把握されており、この調査報告が掲載されている「荏原台地に於ける先史及び原始時代の遺跡遺物」『考古学雑誌 第26巻 第5号』には次のように紹介されています。
第五十二號古墳
(所在位置)舊地名 東京都荏原郡東調布町大字下沼部
新地名 東京市大森區田園調布二丁目一〇一〇細川氏所有地
(型式)圓型墳
(現況其の他)以前畑中にあつたが、現在は全く附近に石室壁の相當大きな破片を残すのみで、全く原形を留めない。詳細不明。
(『考古学雑誌 第26巻 第5号』57ページ)
『東京都遺跡地図』の分布図を参考にすると、画像の右側あたりが跡地ではないかと思われるのですが、すでに古墳の痕跡はなく、正確な所在地はわかりません。前回取り上げた51号墳と、今回の52号墳には同じ住所が書かれていますので、かなり近い位置に存在していたようです。。。
<参考文献>
西岡秀雄「荏原台地に於ける先史及び原始時代の遺跡遺物」『考古学雑誌 第26巻 第5号』
東京都教育委員会『都心部の遺跡』
東京都教育委員会『東京都遺跡地図』

人気ブログランキングへ