
画像は、宇都宮市上御田の「御田神社(上御田神社)」です。
この神社の主祭神は大山祗命で、創建年代は不詳とされています。
雀宮地区のある八つの村社のうちの一社で、明治時代に上御田にあった天台宗の満蔵寺が廃寺となり、本尊の大日如来像が当社に納められたと伝えられています。御神体が仏様であるという神社で、地元では「でいにちさま」と呼ばれています。
田川右岸の、戸祭丘陵雀宮台地縁辺部に所在するこの神社の境内地は古墳の墳丘であるといわれています。

神社の境内の様子です。
古墳らしき高まりをはっきりと見ることができます。
この神社については、かなり以前より「形状的に絶対に古墳だよ!」と睨んでいたのですが、宇都宮市教育委員会より発行された『宇都宮の遺跡』には古墳としての記載がなく、「こんなに古墳らしき形状の神社が古墳じゃないのかな?」と不思議に思っていたのですが、平成29年に発行された『宇都宮市遺跡分布地図』に「御田神社古墳」の名称で古墳として記載されており、「やっぱり!」とニンマリしました。笑。
栃木県の遺跡番号が8818番ですので、比較的近年に登録されたものと思われます。

北東から見た御田神社古墳の様子です。
『宇都宮市遺跡分布地図』には「円墳」と記載されており、確かにこの角度から見ると円墳らしくも見えるのですが。。。

南東から見た御田神社古墳の様子です。
画像では少々分かりにくいのですが、現地で表面観察したところでは、南側に前方部が伸びた形状の前方後円墳だったのではないか?とも妄想できます。
画像でいう左側(南側)が前方部っぽく感じられるのですが、残念ながらその先は会社の敷地となって塀で仕切られており、塀の向こう側は平らに整地されています。
学術的な調査は行われていないようなので詳細はわからないのですが、とても興味深い形状です。。。

南西から見たところ。
この角度から見ても、やはり画像右側に前方部が伸びていたのではないかと妄想できます。
その後、いろいろ調べてみると、大正初期頃の『雀宮郷土史講座』に、この大日塚は前方後円墳であるとされており、墳丘は南面して後円部に社を建てたことが書かれています。道路工事中には埴輪、勾玉、剣などが出土したともいわれているようです。
やはりここは古墳で間違いなく、形状も前方後円墳である可能性は高いようです。

墳丘上の様子です。
若干の削平は受けているようですが、墳丘は良好に残されています。
<参考文献>
吉野益太郎『今昔雀宮』
栃木県神社庁『『栃木県神社名鑑』
宇都宮市教育委員会『宇都宮市遺跡分布地図』
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- 2020/09/07(月) 20:26:42|
- 宇都宮市の古墳・塚
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| コメント:2
こんばんは!
やはり盛り上がっているところは興味津々!
いいですねぇ。いつまでも大事に残っていて欲しいです。
- 2020/09/07(月) 23:34:48 |
- URL |
- torikera #frK3hhYY
- [ 編集 ]
torikera 様、こんばんは!
盛り上がっているところ、いいですよね。笑。
まだ未確認の古墳を自分で見つける喜びもあるかもしれません。。。
- 2020/09/09(水) 00:47:45 |
- URL |
- ご〜ご〜ひでりん #G67hs.TE
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