
ぐんま古墳カード、その10。
今回は、前橋市西大室町に所在する「前二子古墳」です。
画像は北西から見た前二子古墳です。
左奥が前方部、右点前が後円部という状況です。
この一帯は「大室公園」という広大な史跡公園として整備されており、公園内には「前二子古墳」、「中二子古墳」、「後二子古墳」、「小二子古墳」があり、国の史跡として指定されています。
このうち、前二子古墳は古墳群中最初に造られた前方後円墳で、墳丘長93.7m、後円部の高さ13.6m、周堀と外周溝を含めると全長148mという、かなり大型の前方後円墳です。

上毛野国の先祖とされる豊城入彦命の墓ではないかと古くから言い伝えられており、この伝承の存在により古墳は大切に保存されてきたようです。明治11年(1878)3月に村人により石室が開かれた際には多くの副葬品が発見され、記録に残されています。
その後、昭和60年ごろから大室公園の大規模な整備のための動きが始動し、平成4年からこの前二子古墳の発掘調査が実施されることとなります。

最初にこの古墳を訪れた10年ほど前の写真。
古墳の上半身は青々と草が生えているのに対して、下半身は草が刈られて茶色く枯れた色となっているという独特なツートーンカラーとなっています。なぜかこの風貌が個性的に思えて、頭にインプットされていました。
カード収集のために今年の夏に訪れた際に、「あれ?こんな古墳だったかな?」と違和感を感じたのですが、草の刈り取り状況の違いだったのですね。。。

石室内部も公開されており、見学することができます。
かなり細くて長い石室です。

石室はベンガラで赤く塗られており、複数の副葬品が復元的に並べてあります。
発掘調査により、石室奥部の壁面の二カ所に差し込まれている鉤状の鉄製品が発見されており、さらに四カ所で鉤状の鉄製品が差し込まれている痕跡が発見されています。これは、高崎の「綿貫観音山古墳」や「八幡観音塚古墳」、さらには奈良県の「藤ノ木古墳」でも見つかっているそうです。
遺体の上に天蓋を吊るすか、周りに幔幕状の布を吊り下げて巡らすためのフックであった可能性が指摘されています。

これが「前二子古墳」のぐんま古墳カードです!
やはり、草が刈り取られている箇所と刈り取られていない箇所があるのか?と思われるのですが、ツートーンカラーで下半分が刈り取られている風貌が好きだな〜?個人的には。。。
<参考文献>
上毛新聞社『群馬の古墳物語〈上巻〉』
現地説明板
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- 2020/10/14(水) 23:53:37|
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