
さて、前回は、志木市本町2丁目に所在する「田子山富士塚」を取り上げましたが、志木市内にはもう1基、とても素敵な富士塚が存在するようです。
画像は、志木市上宗岡4丁目に所在する羽根倉浅間神社です。
この神社の境内には「羽根倉富士嶽」と呼ばれる富士塚が所在します。

建久四年(1193)、征夷大将軍源頼朝が富士の裾野に諸将を集めて狩りを行なった際、多数の宗岡の里人が勢子(せこ)としてかり出されました。この代償として田祖(田の年貢)が免除されたことから里人たちがこれを記念して、字大野の地に富士浅間を祀ったといわれています。
その後、長禄年間(1457〜1460)に荒川が大洪水を起こしたときに羽根倉に流れ着いたことから、神様がこの地にお住みになりたいとのご意向と考え、ここに祀るようになったそうです。

これが羽根倉富士嶽です!
塚は明治13年(1880)、荒川河川敷である現在の堤外地に、高さ約10メートルの塚が築造され、昭和4年(1929)に河川改修事業により堤外に移転。さらに、県道改修事業により昭和45年(1970)に現在地に移転したそうです。
塚には浅間大神をはじめ、小室浅間大神、烏帽子岩、泉瀧、小御岳石尊大権現などの多くの神仏等が祀られ、黒ボクを使用して胎内穴も設けられるなど、富士塚の条件を備えています。

南東から見た羽根倉富士嶽。
塚は平成24年度に崩落防止のためにコンクリートを用いて全面補修され、現在の姿となったようです。
残念ながら「登らないでください」という立て札が立てられており、登拝は諦めました。
コンクリートで固められてはいるものの、とてもビジュアルの良い富士塚だなあという印象です。。。
本町2丁目に所在する「田子山富士塚」は元々存在した「田子山塚」と呼ばれる塚の上に高さ約10mの土を盛って築造されたといわれており、この田子山塚は古墳であったのではないかとも考えられているようですが、この羽根倉富士嶽に関しては、古墳とは無関係であるようですね。。。

富士塚の北側、浦和所沢バイパスの歩道から見た羽根倉富士嶽です。
ちょっと高いところから見下ろしたほうが全体像が捉えやすいですね。。。
<参考文献>
田子山富士塚保存会『特別展 国重要有形民俗文化財指定記念 志木の田子山富士塚』
現地説明板
人気ブログランキングへ
- 2020/11/01(日) 23:48:35|
- 埼玉県の古墳・塚
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
こんばんは!こちらも行かれたのですね!
コンクリートで固められていますが、なかなか綺麗な塚ですよね。
私は、注意書きに気づかずに(本当です)登って得意になって写真を撮影してしまいました。下りてきたら看板に気づきました(笑)
- 2020/11/06(金) 23:40:42 |
- URL |
- torikera #frK3hhYY
- [ 編集 ]
torikera様、こんにちは!
富士塚アルアルですね。笑。
私も、注意書きに気がつかなければ間違いなく得意気に登っていたと思います。登る前に気がついてしまうと、なかなか行けないですよね。。。
- 2020/11/07(土) 13:34:22 |
- URL |
- ご〜ご〜ひでりん #G67hs.TE
- [ 編集 ]