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古墳なう

「大都市、東京の失われた古墳を探せ!」をテーマに、 ご〜ご〜ひでりんが実際に現地に足を運んで確認した古墳や塚の探訪記録。

「狛江百塚コンプリート2020」その6

29 中宿塚古墳1

 今回も、「狛江百塚コンプリート2020 その6」ということで狛江市内の消滅古墳も含めて探訪していきます。

 最初の画像は、狛江市中和泉1丁目所在の「中宿塚古墳」です。

 昭和35年に当時の狛江町教育委員会により行われた狛江古墳群の分布調査により作成された「狛江古墳群地名表」には29番の「中宿古墳」として記載されていますが、この調査当時にはすでに削平されていると判断されていたようで、古墳の現状は「平夷」とされ、形状も「不明」とされています。

 古墳と思われる墳丘上が耕作により平坦に均されているため、古墳だと知らずに現地を訪れるとただの段々畑のごとき景観であり、調査で見落とされるのも理解できるところですが、実際に現地を訪れて観察すると、古墳の所在地と思われる地点のみが周囲よりも一段高くなっており、この地形が古墳であるならば墳丘の基底部は残されており、埋葬施設の痕跡が残存する可能性もあるかもしれません。

 その後は、この古墳は存在を忘れられており、『東京都遺跡地図』にも未登録となっています。

 


29 中宿塚古墳2

 南西から見た中宿塚古墳。

 狛江市農業協同組合史編纂委員会『狛江市農業協同組合史』に、この中宿塚と飯田塚について記述が見られ、
 「飯田塚及び中宿塚 松原東1740番地と1736番地で、両者は南北に隣り合った場所です。中宿は市川昌吉さん宅の屋号で塚は裏山に当たります。飯田塚は飯田久雄さんの宅地内で、塚のように小高くなっていたと言います。五十一年調査で武夫さんの家の塚の誤りとしていますが、聞取り結果では古墳のように思えます。」
 と書かれています。

 私が訪れた当日は、戦前生まれのおばあさまにお話をお聞きすることができたのですが、かつてはもっと高さがあったそうです。南側のマンションの場所がかつての市川昌吉さん宅であり、『狛江市農業協同組合史』にある「市川昌吉さん宅の裏山」にも符合します。

 『狛江市農業協同組合史』の記事に気がつかなければ、残存する古墳の存在に確信が持てなかったと思いますし、この古墳を発見できたのはラッキーでした。

 ただし、学術的な調査は行われていないようですので、古墳であると断定はできない状況です。
 果たしてこの高まりが古墳なのか、また古墳であれば主体部の残存状況や古墳の規模など興味の尽きないところです。
 今後の調査の進展を期待したい古墳ですね。

 この古墳は2019年11月16日の回で一度取り上げていますので、詳しくはそちらを参照してくださいませ。
 
【このブログの過去の関連記事】
http://gogohiderin.blog.fc2.com/blog-entry-1050.html


30 飯田塚1

 「狛江古墳群地名表」の30番の「飯田塚古墳」の跡地周辺の様子です。

 所在地とされる「和泉1740番地」を『狛江村土地法典』で確認すると、画像の周辺が所在地であると思われるのですが、少なくとも古墳らしき痕跡は見当たらないようです。
 個人宅のお庭に築山のようになって高まりが残されている可能性はあるかもしれませんが、詳細は不明です。


30 飯田塚2

 飯田塚古墳の所在地とされる「和泉1740番地」とは少々ズレた地点となりますが、戦後の空中写真で確認すると、画像の道路の左側あたりに塚とも思われる影が見られます。

 飯田塚の真の所在地かもしれませんし、飯田塚とは別の塚状の何かが存在したのかもしれません。もちろん単なる木立である可能性も充分に考えられますが、真相は不明です。


31 眞刀自咩1号墳

 「狛江古墳群地名表」の31番は「眞刀自咩第1号古墳」です。

 この古墳は2014年12月27日の回で一度取り上げていますので、詳しくはそちらを参照していただきたいところですが、『東京都遺跡地図』にも、狛江市の遺跡番号52番の古墳として登録されており、存在自体は確実視される古墳です。
 古墳は完全に消滅しており、痕跡を見ることはできません。

【このブログの過去の関連記事】
http://gogohiderin.blog.fc2.com/blog-entry-280.html


32 眞刀自咩2号墳

 「狛江古墳群地名表」の32番は「眞刀自咩第2号古墳」です。

 この古墳も、2014年12月28日の回で一度取り上げていますので、詳しくはそちらを参照していただきたいところですが、真刀自咩1号墳と2号墳の2基の古墳はかつては「真刀自咩塚」と呼ばれており、刑部真刀自咩の言い伝えが残されていた伝説の塚です。

 『東京都遺跡地図』にも狛江市の遺跡番号53番の古墳として登録されており、存在自体は確実視される古墳です。
 こちらも古墳は完全に消滅しており、痕跡は残されていないようです。

【このブログの過去の関連記事】
http://gogohiderin.blog.fc2.com/blog-entry-281.html


058 33 経塚古墳1

 「狛江古墳群地名表」の33番は「経塚古墳」です。

 この古墳も、2013年4月24日の回で一度取り上げていますので、詳しくはそちらを参照していただきたいところですが、『東京都遺跡地図』には狛江市の遺跡番号51番に登録されている、現存する古墳です。

 元々は径40m以上の大型の円墳であったと考えられていますが、現在は周囲を削られて小さくなっており、マンションとマンションの間に築山のようになって残されています。

【このブログの過去の関連記事】
http://gogohiderin.blog.fc2.com/blog-entry-121.html


058 33 経塚古墳2

 道路の正面から見たところ。

 古墳の周囲はフェンスに囲まれていて、説明板もこのフェンスの内側に設置されています。
 当然ながら許可なく立ち入ることはできません。。。


058 33 経塚古墳3

 こーんな感じで、墳丘へのドアは普段は閉ざされています。

 お隣の狛江ガーデンハウスの管理室か、泉龍寺で許可を得て墳丘内部を見学することができます。


058 33 経塚古墳4

 管理人さんにドアの鍵を開けていただきました。

 実は今年、あらためてこの経塚古墳の敷地内を見学させていただきました。
 早速中に入ってみましょう。。。


058 33 経塚古墳5

 ドアを開けると、墳頂部へと続く階段が設けられています。

 墳丘の裾部が削られていることからかなり急勾配となっている印象です。


058 33 経塚古墳6

 階段を登ります。

 真夏にきていたらいろいろ危険だったかもしれませんね。。。


058 33 経塚古墳7

 墳頂部が見えてきました。

 初めて見学した8年前はもう少し広々としていたように感じますが、かなり雑草が茂ったかもしれません。。。
 

33 経塚古墳

 墳頂部の様子です。だいぶ草ボウボウになりましたね。。。

 かつては墳丘上に13世紀から16世紀にかけての板碑が林立していたそうですが、残念ながらこれはみられないようです。また、常滑の蔵骨器も出土しており、中世の経塚として古墳が再利用されていたということがわかっています。


058 33 経塚古墳8

 墳頂部から西側のマンションの方を見下ろしてみました。
 かなりの高さが残されてはいるものの、削られてかなり急勾配となっている様子がうかがえます。


33 経塚古墳2

 北から見た経塚古墳です。

 戦後の空中写真を眺めていると、画像の経塚古墳の手前あたりにも古墳があったんじゃないかな?と妄想していますが、このあたりは真相不明です。。。


34 稲荷塚(松原東稲荷塚古墳)

 画像は、狛江市中和泉1丁目に所在する「松原東稲荷塚古墳」です。

 「狛江古墳群地名表」には34番に「稲荷塚」の名称で記載されており、『東京都遺跡地図』には狛江市の遺跡番号48番の古墳として登録されている、現存する古墳です。

 この古墳は過去に三回、取り上げていますので、詳しくはそちらを参照していただきたいところですが、近年になって大きく景観が変わりました。

 古墳は東側と西側をざっくりと削られていて、楕円形のごとき形状を呈しています。
 墳丘東側の土地の所有者宅は新築され、西側にあったアパートは取り壊されてやはり一軒家が新築されました。
 工事が行われている間は墳丘上の木々も伐採され、古墳の形状もよく見えたのですが、また樹木が茂ってきているようです。
 見学するにはこの冬がお勧めかもしれません。。。

【このブログの過去の関連記事】
http://gogohiderin.blog.fc2.com/blog-entry-119.html(2013/04/17「松原東稲荷塚古墳」その1)
http://gogohiderin.blog.fc2.com/blog-entry-896.html(2018/05/11「松原東稲荷塚古墳」その2)
http://gogohiderin.blog.fc2.com/blog-entry-1018.html(2019/09/06「松原東稲荷塚古墳」その3)


35 大七古墳

 画像は、「狛江古墳群地名表」の35番に記載されている「大七古墳」の跡地周辺の様子です。

 所在地は旧番地の「和泉1805〜1814番地」と記載されており、正確な所在地はわからなかったのですが、「松原東稲荷塚古墳」にかなり近い位置に所在したようです。


36 絹山塚古墳

 画像は、狛江市中和泉1丁目の「絹山塚古墳」の跡地周辺の様子です。
 「狛江古墳群地名表」には36番に記載されており、『東京都遺跡地図』には狛江市の遺跡番号47番の古墳として登録されています。
 残念ながら古墳は消滅しており痕跡を見ることはできないのですが、当時発掘調査が行われており、詳細が判明している古墳です。
 
 この古墳も、2018年1月21日の回で一度取り上げていますので、詳しくはそちらを参照してくださいませ。

【このブログの過去の関連記事】
http://gogohiderin.blog.fc2.com/blog-entry-845.html(2018/01/21「絹山塚古墳」)

<参考文献>
塩澤栄八郎『東京府北多摩郡狛江村土地宝典』
狛江市教育委員会『狛江市の古墳(Ⅰ)』
狛江市農業協同組合史編纂委員会『狛江市農業協同組合史』
狛江市『新狛江市史民俗調査報告書6 和泉の民俗』


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  1. 2020/12/02(水) 01:59:26|
  2. 狛江市/その他の古墳・塚
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

こんばんは。

こちらの経塚古墳はなかなか立派なものですね。

マンションに挟まれて窮屈そうですが、良く保存されたもんだと思います。(*^_^*)
  1. 2020/12/02(水) 23:38:33 |
  2. URL |
  3. torikera #frK3hhYY
  4. [ 編集 ]

torikeraさま、こんばんは。

狛江市の古墳はどこもよく残されたものだと思います。
特に近年は、宅地化が進んでもうまく壊されずに残していると思います。
狛江市、頑張っているように思います。。。
  1. 2020/12/05(土) 01:05:43 |
  2. URL |
  3. ご〜ご〜ひでりん #G67hs.TE
  4. [ 編集 ]

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