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古墳なう

「大都市、東京の失われた古墳を探せ!」をテーマに、 ご〜ご〜ひでりんが実際に現地に足を運んで確認した古墳や塚の探訪記録。

「狛江百塚コンプリート2020」その10

49 揚辻塚古墳(和泉2298)1

 前回に引き続き「狛江百塚コンプリート2020」、今回はその10です。
 最初の写真は、狛江市東和泉1丁目に所在する「揚辻稲荷神社」です。


49 揚辻塚古墳(和泉2298)2

 お稲荷さんについて調べていると「イッケ」という言葉を頻繁に目にしますが、これは先祖を同じくする同族集団のことを呼ぶそうで、揚辻稲荷神社は地元の谷田部イッケにより一族の氏神様として祀られており、「谷田部稲荷」とも呼ばれています。
 「狛江古墳群地名表」49番には「揚辻塚」という名称の詳細不明の古墳が記載されており、所在地は「和泉2298番地」で、『狛江村土地宝典』で確認したところではこの揚辻稲荷神社の境内地と符合しています。
 なにか古墳の痕跡は残されていないのでしょうか。。。


49 揚辻塚古墳(和泉2298)3

 境内の様子です。

 神社の社殿南側には湧水池の跡と、そこから東に流れていた川の跡が残されています。したがって、この地に古墳があったとすれば、社殿の土台となっているか、社殿に隣接するなら西側か東側であろうと推測していました。

 しかし、社殿の土台になっていたならば今でも痕跡が残っていそうなものですが、境内は真っ平らで痕跡はなし。
 神社の周辺も宅地化が進んでおり、真相はまったくわかりませんでした。


49 揚辻塚古墳(和泉2298)4

 社殿の背後、南側に残されている湧水池の跡です。

 昭和40年頃まではコンコンと湧き水が湧いていたそうで、洗濯物や野菜を洗ったり、夏には子どもたちが水浴びをして遊んでいたそうです。


49 揚辻塚古墳(和泉2298)5

 かつて水が流れた水路の跡も残されています。
 この水は貴重な農業用水として利用されていたそうです。。。

 ちなみにこの用水路の跡はずっと先まで残っていて、辿っていくと喜多見のあたりまで行けます。


49 揚辻塚古墳(和泉2347)8

 昭和35年に、当時の狛江町教育委員会により狛江古墳群の分布調査が行われ、「狛江古墳群地名表」が作成されています。
 そしてその後、昭和51年(1976)になって再度古墳分布調査が行われており、この調査結果と地名表も、昭和35年の地名表と同様に『狛江市の古墳(Ⅰ)』に掲載されています。

 この昭和35年と昭和51年の地名表を見比べると、多くの古墳に関して所在地の記述に食い違いがみられます。揚辻塚については、昭和35年の地名表では「和泉2298番地」とあるのに対して、昭和51年の地名表では「和泉2347番地」と記載されています。
 『狛江村土地宝典』で確認すると、昭和35年の「2298番地」の位置が現在の揚辻稲荷の境内地に合致しますので、昭和51年の「2347番地」のほうが誤りではないかと思われますが、所在地の記載ミスは他にもいくつか見られるようです。

 ちなみに『狛江市の古墳(Ⅰ)』に掲載されている分布図では、揚辻塚の所在地は揚辻稲荷の境内地から少々東にずれた地点に記されており、これは画像のコンビニの背後のあたりになります。

 もう何年も前の話になりますが、この周辺を散策した際に怪しげな祠を見かけました。
 「まさかここが揚辻塚の所在地では?」とも感じたのですが、真相は分からず。当時の写真も探したものの見当たりませんでした。

 今年に入って狛江市内を散策した際にこの周辺も歩いてみたのですが、祠をどこで見かけたのか思い出すことはできませんでした。
 もはや記憶も曖昧で私の勘違いなのかもしれませんが、忘れないように一応書き留めておこうと思います。。。


50 石塚古墳(推定地1)

 本日2基め!
 「狛江古墳群地名表」50番に記載されている「石塚古墳」の跡地周辺の様子です。

 「和泉2354番地」に所在したとされている古墳ですが、これを『狛江村土地宝典』で確認すると、画像の周辺が跡地となるようです。残念ながら、すでに古墳らしき痕跡は見ることができません。

 ちなみに昭和51年の「古墳分布図地名表」では「和泉2346番地」、さらには『狛江市史』の「狛江古墳群一覧表」では東和泉2丁目13番地とされており、古墳の正確な所在地を特定するのはなかなか困難な状況なのですが…


123 50 石塚古墳3
出典:国土地理院ウェブサイト(https://mapps.gsi.go.jp/contentsImageDisplay.do?specificationId=741993&isDetail=true)

 画像は、国土地理院ウェブサイトより公開されている、昭和16年に陸軍により撮影された石塚古墳の跡地周辺の空中写真です。わかりやすいように塚の周辺を切り取っています。

 広い畑地の中にぽつりと古墳を思わせる円形の影が見られ、この円形の影に向かって南側の道路から一本のあぜ道らしきスジが通っています。
 実は、これが往時の石塚古墳なのではないかと妄想しています。

 当然ながら真相はわかりませんが。。。


50 石塚古墳(推定地2)

 ちなみにこの石塚古墳は、以前に一度取り上げました。

 この時は、画像の突き当たりのあたりを古墳の跡地と推定しましたが、その後何度も空中写真を見返してみて、古墳に見える木立は実は民家の影で古墳ではなかったのではないかと思っています。
 以前の記事も消さずに残してあるので、興味のある方は読んで見てください。。。

【このブログの過去の関連記事】
http://gogohiderin.blog.fc2.com/blog-entry-275.html(「中村石塚古墳」2014/12/22)


54 大手塚第1号(和泉2439〜2440)

 画像は、「狛江古墳群地名表」の54番に記載されている「大手塚第1号古墳」の跡地周辺の様子です。

 所在地は「和泉2439〜2440番地」で、これを『狛江村土地宝典』に当てはめると画像の周辺が跡地となるわけですが、すでに古墳らしき痕跡はなく、正確な所在地もわかりません。。。


125 55 大手塚第2号(和泉2443)

 画像は、「狛江古墳群地名表」の55番に記載されている「大手塚第2号古墳」の跡地周辺の様子です。

 所在地は「和泉2443番地」で、これを『狛江村土地宝典』に当てはめると、画像の周辺が跡地となると思われます。
 「大手塚第1号古墳」と「同2号墳」は、石谷家下屋敷の大手にあたるところに2つの塚があったといわれていますが、すでに古墳らしき痕跡はなく、正確な跡地も特定できませんでした。。。


126 56 諏訪塚(和泉2450)

 画像は、「狛江古墳群地名表」の56番に記載されている「諏訪塚古墳」の跡地周辺の様子です。所在地は「和泉2450番地」で、これを『狛江村土地宝典』で確認すると、道路の右側あたりが跡地となるようです。
 こちらもすでに古墳らしき痕跡がなく、正確な跡地も特定できませんでしたが、存在は間違いないといわれている古墳で、江戸時代の地誌類にも記録が残されています。
 この諏訪塚古墳も以前に一度取り上げました。詳細はこちらを参照してくださいませ。。。

【このブログの過去の関連記事】
http://gogohiderin.blog.fc2.com/blog-entry-315.html(「諏訪塚」2015/02/06)


127 57 十幹森古墳1

 「狛江古墳群地名表」の57番に記載されている「十幹森古墳」の所在地は、昭和35年の地名表では「和泉2474番地」、昭和51年の地名表では「和泉2521番地」と記述に違いが見られます。これを『狛江村土地宝典』で確認すると、昭和51年の地名表の「和泉2521番地」と『狛江市の古墳(Ⅰ)』に掲載の分布図に記されている位置が当てはまります。

 どうやら画像の左側あたりが跡地となるようです。

 これも痕跡なく正確な跡地も不明ですが、この十幹森古墳も以前に一度取り上げました。詳細はこちらを参照してくださいませ。。。

【このブログの過去の関連記事】
http://gogohiderin.blog.fc2.com/blog-entry-301.html(「十幹森塚」2015/01/21)


128 57 十幹森古墳2

 「十幹森古墳」の所在地に隣接して存在する庚申塔です。
 すごくあやしい!笑、と感じましたが、古墳との関係は不明です。


129 57 十幹森古墳(推定地2 和泉2474)

 ちなみに、「十幹森古墳」の昭和35年の地名表での所在地「和泉2474番地」はこのあたりです。
 やはり古墳らしき痕跡は見られません。。。


130 61 熊野塚(推定地1、和泉2454)

 「狛江古墳群地名表」の61番に記載されている「熊野塚古墳」の所在地は、昭和35年の地名表では「和泉2583番地」、昭和51年の地名表では「和泉2454番地」とやはり記述に違いが見られます。

 『狛江市の古墳(Ⅰ)』に掲載の分布図に記された位置や、江戸時代の地誌類の記述から判断して、昭和51年の「和泉2454番地」が正解に近いと判断しました。これを『狛江村土地宝典』に当てはめると画像の右側あたりが跡地となるようです。
 この十幹森古墳も以前に一度取り上げました。詳細はこちらを参照してくださいませ。。。

http://gogohiderin.blog.fc2.com/blog-entry-316.html(「熊野塚」2015/02/07)


131 61 熊野塚 推定地2

 ちなみに「熊野塚古墳」の昭和35年の地名表での所在地「和泉2583番地」はこのあたり?
 やはり古墳らしき痕跡は見られません。。。


131 稲荷前塚(和泉2447)

 長丁場になりましたが、本日最後の古墳は「稲荷前塚古墳」です。
 昭和35年の地名表には記載されていない古墳ですが、昭和51年の地名表には記載されており、所在地「和泉2447番地」とされています。
 江戸時代の地誌類にも記述が見られ、存在の可能性の高い古墳であると考えられています。
 この「稲荷前塚古墳」も以前に一度取り上げており、墳丘上から移設された十幹森稲荷神社の詳細と写真も掲載しています。
 詳しくはこちらを参照してくださいませ。

【このブログの過去の関連記事】
http://gogohiderin.blog.fc2.com/blog-entry-314.html(「稲荷前塚」2015/02/04)
 
<参考文献>
塩澤栄八郎『東京府北多摩郡狛江村土地宝典』
狛江市史編さん委員会『狛江市史』
狛江市教育委員会『狛江市の古墳(Ⅰ)』
狛江市農業協同組合史編纂委員会『狛江市農業協同組合史』
狛江市『新狛江市史民俗調査報告書6 和泉の民俗』


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  1. 2020/12/08(火) 23:30:57|
  2. 狛江市/その他の古墳・塚
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

こんばんは!お稲荷さんの湧水地あとは
湧水ファンとしては、何とも残念でございますね。

地名も「和泉」だし!
それにしても、お稲荷さんだけに
「コンコン」と湧いていたとは(笑)

  1. 2020/12/10(木) 23:14:33 |
  2. URL |
  3. torikera #frK3hhYY
  4. [ 編集 ]

torikeraさま、こんにちは!

水が枯れてしまったのはとても残念ですね。
それにしてもお稲荷さんだけにコンコン、まさかのダジャレで来るとは!笑。
  1. 2020/12/12(土) 15:47:36 |
  2. URL |
  3. ご〜ご〜ひでりん #G67hs.TE
  4. [ 編集 ]

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