
「玉田谷戸横穴墓群」は、三輪地区の南端、横浜市との県境に位置する横穴墓群です。凝灰岩質の岩盤に掘り込まれた4基の横穴が確認されていて、7世紀代につくられたと推定されています。町田市の遺跡番号442番の横穴墓です。
画像は、1号墓を南東から見たところです。入口がフェンスで保護されているため内部へ入ることは出来ませんが、内部を観察することは出来ます。

この横穴は大場磐雄氏により昭和2年に「内部に家形彫刻を有する横穴」として発表されていて、考古学史的にも貴重な史跡です。この天井部分から側壁にかけて柱や梁などを浮き彫りで表現した「家形横穴墓」は全国的にも類例が少なく、都内ではこの1号墓と3号墓の2基のみだそうです。なお、遺物として鉢形黒色土器一点が発見されています。
ちなみに左の側壁の一部は関東大震災のときに剥離したのだそうで、その後も崩壊が進んでいるようにも見えます。


画像は3号墓です。この3号墓にも四柱式屋根を表現したとされる彫刻が彫り込まれています。遺物として須恵器の破片が発見されています。
この横穴墓群は、昭和2年(1927)に都指定旧跡となり、その後平成20年に史跡に指定されています。


2号墓と4号墓は入口部分が土砂で埋没していて、内部を観察することは出来ませんでした。
現地には町田市教育委員会による説明板が設置されています。。。
<参考文献>
町田市史編纂委員会『町田市史 上巻』
町田市教育委員会『発掘された町田の遺跡』
現地説明版
- 2013/05/05(日) 03:28:06|
- 町田市の古墳・塚
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