
さいたま市内の塚の探訪にあたっては、さいたま市教育委員会より発行された『さいたま市の塚調査報告』を参考にしました。
この報告書には市内のほとんどの塚が網羅されていますし、塚の所在地の住所も記されているのでとても重宝しましたが、発行されてからすでに20年近く経過していることから、区画整理により所在地の住居表示が変わってしまっていたり、また実際に現地を訪れてみると開発によりすでに削平されて消滅していたりと、いろいろなことがありました。笑。
逆に、『さいたま市の塚調査報告』に記載されていないながらも発見することができた塚も存在します。
画像の塚は、さいたま市北区を散策中に発見した塚です。
おそらくは古くから農業を営んできた、この地域の地主さんなのだと思いますが、母屋と納屋の間の祠が祀られた塚が路上から視界に入って、すぐに土地の所有者に声をかけて見学させていただきました。

塚の様子です。
塚の名称があるのかどうかは確認するのを忘れてしまったのですが、お稲荷さんが祀られているということなので、稲荷塚ということになるのでしょうか。。。

この周辺の区画整理が行われたのは50年以上も前だそうですが、その後にこの地域の宅地開発が進み、この御宅の敷地内に塚が残されたのだそうです。
『埼玉の神社 北足立・児玉・南埼玉』には、この地域は昭和32年(1957)に区画整理が行われたと記されていましたので、60年以上前ということになりますね。
戦時中には、これから出兵する兵隊さんがこのお稲荷さんに願掛けにきたそうですので、地元では知られた稲荷社だったのかもしれません。。。

塚上の祠の様子です。
見学させていただき、また貴重なお話をお聞かせいただきました。
楽しい時間をありがとうございました。
<参考文献>
さいたま市教育委員会『さいたま市の塚調査報告』
埼玉県神社庁『埼玉の神社 北足立・児玉・南埼玉』
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- 2021/11/28(日) 20:47:25|
- 埼玉県の古墳・塚
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