
前回に引き続き、春日部市内牧字塚内周辺に所在する「内牧塚内古墳群」の探訪記録、その2です。
まず最初の画像は、内牧塚内古墳群3号墳!
個人の民家の敷地内にある古墳で、土地の所有者に声をかけて見学させていただきました。

墳丘は人家により若干削られていて、現存墳丘は直径約14m、高さは約1.8mほどです。
主体部については不明であるようですが、どうにも墳丘の周囲を囲っている河原石が気になりますな。。。。

墳丘の表面には芝が貼られていて、キレイに刈られて整備されていました。
それにしても、自宅の庭に古墳があるなんてちょっと羨ましいなあ。
うちに古墳があったら自分で説明板を建てちゃうかな。笑。
ウチの庭なんて、もはやただの空き地だけど。。。

墳丘上にはお堂が建てられていました。

こちらは4号墳。
画像中央の木立のあたりが4号墳の所在地です。
この古墳は、春日部市編纂のため発掘調査が行われています。
当初は円墳と考えられていたようですが、調査の結果、一辺約20m、周溝外径では約29mの規模をもつ方墳であることがわかっています。
主体部は木炭槨1基、粘土槨が3基と多葬埋葬が行われた古墳で、墳丘や周溝内から円筒埴輪、朝顔形埴輪、形象埴輪や須恵器壺が出土しています。

木立の合間から見えた4号墳の墳丘。
この古墳は所有者宅をピンポンするまでは深追いしませんでした。。。
この古墳から出土した埴輪は、第一段目が低く三条突帯を持ち、径が細くて長い、「下総型円筒埴輪」と称される埴輪が出土しており、この古墳には下総の埴輪製作工人と武蔵の工人が関わったと考えられています。
しかも、下総型が七割もあり古隅田川を越えた下総国の影響が強い地域であったことがうかがえます。
いや、ほんとに発掘調査ってすごいですよねー。。。

古墳の前には2種類の説明板が設置されています。
どうしてこの4号墳の前に設置されているのかと疑問に思っていましたが(奥まった目立たない場所なのに)、唯一発掘調査が行われた古墳の前に設置したということなんでしょうかね。多分。。。
内牧塚内古墳群
塚内古墳群は古隅田川を見下ろす高台にあり、14基以
上の古墳がありました。古墳は、径20m前後の円墳が多
く、前方後円墳は一基のみです。現在も古墳の形が残って
いるのは、このうちの7基だけです。
昭和五二年に発掘調査された4号墳は、径20m前後の
円墳で、幅4m、周囲には深さ1mの溝がありました。
中央には、木炭や粘土で造られた4つのお墓があり、鉄剣、
鉄のやじり、ガラス製の小玉等が納められていました。
その他にも、武人の姿をした埴輪や筒状の円筒埴輪が見つ
かっています。円筒埴輪は武蔵の地域で作られた帯が二段
のものと、下総の地位で作られた三段のものの2種類があ
ります。このことから塚内の地は、両地域の文化の影響を
受けていたと考えられます。
塚内古墳群 昭和34年市指定史跡
塚内4号墳出土遺物 平成5年市有形文化財指定
春日部市教育委員会

説明板ともう1枚、「内牧塚内古墳群位置図」も設置されています。
ちなみに、ここに記されている古墳の位置はかなり正確に記されているので、信用していいかも。。。

ここが「内牧塚内古墳群5号墳」。
4号墳の北東に隣接して造られた古墳で、現状の古墳の規模は径約13m、高さ1.5mの円墳とされています。
主体部については不明であるようです。

画像の道路の左奥、民家の敷地内に「内牧塚内古墳群15号墳」があったとされています。
痕跡は見当たりませんでしたが、ひょっとしたら道路が微妙に弧を描くあたりが痕跡なのかも?
今回はここまで。
さらに次回に続きます。。。
<参考文献>
埼玉県教育委員会『埼玉県古墳詳細分布調査報告書』
塩野博『埼玉の古墳 北埼玉・南埼玉・北葛飾』
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- 2022/05/23(月) 23:35:11|
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