
前回に引き続き、宇都宮市下栗町に所在する「さるやま城古墳群」のその3。
最初の画像は、唯一の前方後円墳である「本郷山古墳」です。
画像の左手前が前方部、右奥が後円部という状況ですが、わかりませんよね。笑。
この古墳は、昭和63年4月から7月にかけて測量調査が行われており、全長47m、後円部径26m、前方部幅35mの前方後円墳で、高さは前方部が3.6m、後円部が3.4mと後円部に比べて前方部が発達した古墳であることがわかっています。

南から見た本郷山古墳。
左が前方部、右が後円部という状況で、くびれ部の辺りを写している状況でしょうか。。。
この画像はうっすらとその形状が確認できるかと思います。
葺石は確認されていないようですが、円筒埴輪の破片が採集されており、この遺物により、古墳は6世紀後半の築造と推定されています。
ちなみにこの古墳群の中では12号墳からも埴輪編が採集されているようですが、12号墳よりも本郷山古墳が先行するものであるそうです。

こちらは南東から見た本郷山古墳。
画像右側、後円部には祠が祀られていて、窪みとなっているのが参道です。
後円部は下草が少なく、比較的形状が見やすいようです。
左奥が前方部、右手前が後円部という状況です。

後円部を南から見たところ。
頂部に祠が祀られています。
さっそく参拝しましょう。

2本の大木が鳥居の役目を果たしていて、なかなか幻想的な雰囲気。

後円部上の様子。
左側が「猿山神社」、右側が「八坂神社」の祠です。

同じく後円部上の様子。
右奥の前方部がかなり高くなっているのがわかると思います。

前方部上から後円部を見たところ。
前方部側はかなり藪が激しく、全体像を捉えるのは厳しい状況です。

前方部を西から見たところ。
なかなか立派な前方後円墳が残っていますし、周囲のさるやま城の遺構もかなり良好に残されているという状況で、藪になって荒れ果てているのがなんだかもったいないなあと思ったりします。

さて、ここからは本郷山古墳の周囲に点在する円墳です。
まずは「さるやま城古墳群13号墳」。
本郷山古墳のすぐ東側に隣接する古墳で、かなり鬱蒼とした藪の中に存在するため、古墳の全貌を捉えるのは難しい状況でした。
画像は、かなり近づいて撮影した状況です。。。

続いて「さるやま城古墳群10号墳」。
13号墳とそっくりですが違うんですよ。
もうね、古墳群東側の円墳はすべてボウボウの藪の中ですわ。。。

こちらはやっと見つけた「さるやま城古墳群7号墳」です。

「さるやま城古墳群2号墳」と思われる高まり。
この周辺は城跡の土塁がかなり高く積まれていて紛らわしいのですが、おそらくこれが2号墳であると思われます。
墳丘の北側は生コンの会社の敷地に切られていて、残存するのは南側の半分ほどです。

最後は「さるやま城古墳群3号墳」です。
コレも、ボウボウの藪の中をかき分けて進んで、やっと見つけました。
とりあえずは、残存する古墳の写真はここまでです。
よほどの古墳マニアでない限りは、この藪をかき分けて古墳を探す必要はないんじゃないかなと思いますが、城跡としても見どころが満載な場所でもあるので、こういう場所を整備して公園などにできればいいのになあと思ったりします。。。

最後に1枚だけ、城址の堀の写真です。
直線的に綺麗に残されていますよね。。。
都心部には城跡はほとんど残されていなかったこともあり、これまであまり深掘りすることもありませんでしたが、お城がこんなに身近にたくさんあったんだということを最近になって知りました。
深掘りすると面白いんだろうなと感じていますが、当面は浮気せずに古墳一筋ということで。。。
<参考文献>
宇都宮市教育委員会『宇都宮の遺跡』
宇都宮市教育委員会『宇都宮市遺跡分布地図』
宇都宮大学考古学研究会「宇都宮市下栗町本郷山古墳墳丘測量調査報告」『峰考古 第7号』
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- 2023/03/05(日) 23:43:07|
- 宇都宮市の古墳・塚
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