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古墳なう

「大都市、東京の失われた古墳を探せ!」をテーマに、 ご〜ご〜ひでりんが実際に現地に足を運んで確認した古墳や塚の探訪記録。

下野市「丸塚古墳」ー下野市指定史跡ー

378「丸塚古墳」1

 画像は、下野市国分寺に所在する「丸塚古墳」です。

 栃木県の史跡として指定されているこの古墳は、下野市内でも古くから知られた存在で、畑の中にポッカリと浮かぶ、お椀を伏せたように半円を描く大きな墳丘は一際目立ちます。

 早速近寄ってみましょう!


378「丸塚古墳」3

 墳丘南東側裾部に、「史跡丸塚古墳」と刻まれた石碑と、下野市教育委員会による説明板が設置されています。

 件指定史跡 丸塚古墳
 丸塚古墳は、7世紀のはじめごろに築造された、
栃木県を代表する大型円墳です。墳丘は、2段に
つくられ、墳丘の第一段の平坦面(基壇)の幅が
広いのが特徴です。
 墳丘の大きさは、墳丘第一段の直径が66m、
第二段の直径が42m、墳丘第一段目からの高さ
が約6.5mあります。
 この古墳の埋葬施設は、横穴式石室で、墳丘の
南面に開口しています。遺体を納めた玄室は、凝
灰岩の大きな一枚岩を切り組んだ技法で構築され
ています。また玄門は、この一枚岩の中心をくり
ぬいて造られており、優れた石材の加工技術がう
かがえます。
 平成18年度に実施した発掘調査では、石室の
床面付近から約70点のガラス小玉が出土しました。
              下野市教育委員会



378「丸塚古墳」2

 墳丘は「丸塚」の名にふさわしく、キレイに残されていますよね。

 この古墳は、いわゆる「下野型古墳」と呼ばれるこの地域特有の形状を呈する古墳です。
 下野型古墳の特徴として、の一つ目は、墳丘1段目の基壇面がかなり広く造られており、見た目は2段目だけが墳丘のように見え、かつては古墳の大きさをこの2段目のみが全長として測られていたそうですが、現在は基段面を含めたサイズが古墳の全長として測られています。

 これ、私的には「手抜きでしょ、、、」と思っているんですが、古墳を築造する材料が足りなかったかもしれないし、人手が足りなかったかもしれないし、昔は昔で色々あったんだろうなあと思います。。。

 3枚目の画像は墳丘の2段目ということになりますな。。。

 ちなみに、基壇面の低くなりすぎた箇所には若干の盛土がされているそうなので、やはり木断面も墳丘の一部なのだと思います。

 そして二つ目は、石室に巨大な大谷石の凝灰石の切石が用いられており、前方後円墳に限ると、石室が後円部ではなく前方部に造られています。


378「丸塚古墳」5

 開口する石室の様子。
 柵で覆われていて中に入ることはできませんが、中を観察することはできるようです。


378「丸塚古墳」6

 石室は、一枚岩の凝灰岩を5枚使用して構築されています。
 切り出した場所はわかっていないようですが、一体どうやってこんな巨石をここまで運んだのかとても興味深いです。


378「丸塚古墳」7

 天井石です。


378「丸塚古墳」8

 墳頂部から見下ろしたところ。
 かなり高さが残されているわけですが、墳頂部には大きな撹乱はなく、築造当時の状況に近いと考えられているようです。

 ちなみに墳頂平坦面の中央に直径30cmほどの穴が掘られていて、人頭大の礫が3〜5個詰められていたそうで、何の目的があったのかとっても不思議です。


378「丸塚古墳」9

 北西から見た丸塚古墳です。

 やっぱり、畑の中に残された古墳は見学しやすいし、良い眺めです。
 藪の中の古墳ときたらホントにもう。。。


378「丸塚古墳」4

 説明板に掲載されていた丸塚古墳の墳丘測量図です。
 黄色い部分が基壇面ということになりますね。

<参考文献>
下野市教育委員会『下野市遺跡分布図』


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  1. 2023/03/17(金) 22:41:39|
  2. 下野市の古墳・塚
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

こんにちは!
とてもきれいに保ってありますね。
同じ市内の古墳でも、指定史跡とされるか否かでだいぶ違ってしまうようですね…
  1. 2023/03/18(土) 17:21:18 |
  2. URL |
  3. はこべ #-
  4. [ 編集 ]

こんばんは!
指定史跡だから状態が良いかというと必ずしもそうとは限らないかもしれませんが、この丸塚古墳はすごく良い感じで保存されていました。
私はこういう風景がとても好きです。
  1. 2023/03/19(日) 19:16:57 |
  2. URL |
  3. ご〜ご〜ひでりん #G67hs.TE
  4. [ 編集 ]

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