
「十条台古墳群」は、北区中十条2丁目に所在する3基の円墳と、付近に存在する「十条富士塚」からなる4基の古墳群です。十条2丁目に所在する3基の古墳は開発が進んでいるために墳丘は残されていませんが、平成2年(1990)に個人住宅建設にともなう発掘調査により周溝が検出され、1号墳、2号墳、3号墳と名称がつけられています。さらに平成9年(1997)には、別の地点の発掘調査にて1号墳の周溝の続きが、平成24年(2012)には2号墳が検出されています。
画像の道路の突き当たりのあたりが3基の古墳の所在地ですが、周辺は開発が進み宅地が密集しているため、残念ながら古墳の痕跡を観察することは出来ません。
「1号墳」は、規模直径約23m、周溝の幅は約3mの円墳であるとされています。周溝からは円筒埴輪、朝顔形埴輪のほか、須恵器や土師器も出土しています。「2号墳」は直径約13m、周溝の幅約1.8mの円墳で、覆土中より土師器杯や高杯などが出土しています。また、「3号墳」は周溝の検出範囲が狭いために規模は不明であるものの、円墳ではないかと考えられているようです。
この3基の古墳から南に100mほど離れた地点に、有名な「十条富士塚」が所在します。この富士塚は発掘調査はされていないため詳細は不明ですが、古墳の上に盛土をして築かれたと考えられており、この富士塚を含めた直径100mほどの範囲が「十条台古墳群」とされているようです。今後の周辺調査次第では、更なる古墳群の広がりも十分に考えられるかもしれません。。。
<参考文献>
東京都北区『北区史 通史編 原始古代』
東京都北区教育委員会『文化財研究紀要 第13集』
東京都北区教育委員会『北区埋蔵文化財調査年報 –平成23年度-』
- 2014/04/15(火) 09:27:42|
- 北区/十条台古墳群
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