
画像は、板橋区西台1丁目にある「東京都立志村学園」を南から見たところです。『東京都遺跡地図』には、画像の周辺に「飛鳥塚」が登録されています。板橋区の遺跡番号145番の年代不詳の塚です。残念ながら塚は跡形もなく消滅しており痕跡すら見当たりません。名称のある塚ですから何か伝承や由来等が残されているのかもしれませんが、詳細はわかりませんでした。
『いたばし風土記』にはこの周辺地域の古墳の言い伝えについて次のように書かれています。
この付近の道路が今のように整備されない昭和25、6年頃、まだ若木町へ通じる道路もなく谷川の流れがちょろちょろ流れ落ち、野鳥の「こじっけい」の親子が道の真中で人影をみてもあわてるでもなくたわむれていました。通りがかりのお百姓さんと道ばたで、人なつかしさにならんで一休みした時、こう話してくれました。
「ほら、この谷川の左手の雑木林の下に、おれんちの荒地がある。畑にしようと思って掘ったところ沢山の土のがならんで出て来た。骨つぼかも知れない。気味がわるいのでそのまま埋めちもうた」
どうも、このお百姓さんの見たは古墳の土留の円筒埴輪だったらしいのですが、そのままわからずじまいになってしまいました。今になってみますと惜しまれます。(『いたばし風土記』56ページ)
<参考文献>
東京都板橋区役所『板橋区史』
板橋区教育委員会『いたばし風土記』
- 2014/10/26(日) 04:00:50|
- 板橋区/その他の古墳・塚
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