
「猪方767番地古墳」は、狛江市猪方1丁目に所在したとされる古墳です。
この古墳は、昭和35年(1960)に、当時の狛江町全域で行われた古墳の分布調査の際に把握されており、105番の名称のない円墳として取り上げられています。狛江市教育委員会より発行された『狛江市の古墳(Ⅰ)』に掲載されている『狛江古墳群地名表』には、「径10m 高さ1.5m 台地東北縁辺の地」、「林地に一部残存」と、当時まだ残されていた古墳の状況が記されています。同書の38ページにはこの古墳の写真が掲載されており、かなり大きな墳丘を見ることができるのですが、昭和51年(1976)に行われた狛江古墳群の分布調査の際には墳丘は削平され、消滅していたようです。
平成7年(1995)に多摩地区所在古墳確認調査団により発行された『多摩地区所在古墳確認調査報告書』には、この古墳は取り上げられず、『東京都遺跡地図』にも未登録となっているようです。
この「猪方767番地古墳」については、『狛江市史』の「狛江古墳群一覧表」に掲載されている古墳の推定地とされる「猪方1丁目7番地か9番地」という記述と、『狛江市の古墳(Ⅰ)』の遺跡分布地図に記された位置を頼りに散策しました。残念ながら古墳の正確な所在地を特定することは困難なようです。画像は、この古墳の推定地であるとされる猪方1丁目9番地内で見かけた祠です。
この地点が古墳の跡地であるかどうかは不明で、この祠が古墳と関係があるのかどうかも謎ですが、周辺は宅地化が進み、古墳の痕跡は見ることができないようです。。。
<参考文献>
狛江市史編さん委員会『狛江市史』
狛江市教育委員会『狛江市の古墳(Ⅰ)』
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- 2014/12/21(日) 00:54:57|
- 狛江市/狛江古墳群(猪方)
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