
さて、ここまで狛江市内の古墳を数多く紹介してきましたが、狛江古墳群に隣接する「喜多見古墳群」や「殿山古墳群」、「砧中学校古墳群」といった世田谷区内の古墳も、あらためて整理して紹介しようと思います。
「殿山古墳群9号墳」は、世田谷区大蔵6丁目にある井山ゴルフ練習場の敷地内北側に残されている古墳です。『東京都遺跡地図』には世田谷区の遺跡番号39-9番の古墳として登録されています。
画像は9号墳を北西から見たところです。東京都教育委員会より昭和60年(1985)に発行された『都心部の遺跡』にはこの古墳について「古墳の基部のみ残存。基部の直径は約10m。圭頭大刀(東京国立博物館蔵)は昭和2年に耕作中発見されたもの。当古墳は昭和57年に削平された。」との記述があります。また、土地の所有者にお聞きしたところでは、調査の際に石室等の埋葬施設は検出されなかったとのことなのですが、同書には主体部について「横穴式石室?」と、石室の存在の可能性についてふれています。実際に見学させていただいたときには、特に石材が露出しているようなことはなかったように思いますが、このあたりの詳細は不明です。

画像は9号墳を東から見たところです。都心部の遺跡には「削平された」と書かれていますが、古墳らしい形状は残されているように思います。この古墳は、恐らくすでに消滅して見ることはできないのではないかと思っていましたので、存在を確認した時にはちょっと感動しました。笑。

画像は墳頂部のようすです。祠が祀られています。
当日は、土地の所有者の方に声をかけて見学させていただきました。ありがとうございました。
<参考文献>
世田谷区史編さん室『世田谷区史料 第8集 考古編』
東京都教育委員会『都心部の遺跡』
東京都教育委員会『東京都遺跡地図』
- 2015/02/11(水) 09:29:39|
- 世田谷区/殿山古墳群
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