
画像は、世田谷区喜多見4丁目に所在したとされる「宮之原1号墳」の推定地を南から見たところです。『東京都遺跡地図』には世田谷区の遺跡番号315番の古墳(円墳)として登録されています。
この古墳も、前回紹介した陣屋支群に属する古墳同様に墳丘がすでに失われており、土地区画整理事業に伴う発掘調査により発見された古墳です。外径は32.8m、墳丘規模は26.2mで、埋葬施設は横穴式石室が推定されています。
古墳の周辺はすでに宅地化されており、痕跡は何も残されていないようです。
南東には慶元寺古墳群や陣屋古墳群のほか、「稲荷塚古墳(世田谷区指定史跡)」や「第六天塚古墳(世田谷区指定史跡)」、「天神塚古墳」等、多くの古墳が存在していますが、この「宮之原1号墳」は北西に少し離れたところにポツリと存在します。この古墳の存在が明らかになったことにより、広い地域に古墳群が形成されていたのではないかと考えられています。
<参考文献>
世田谷区教育委員会・喜多見陣屋遺跡第20次調査会『喜多見古墳群Ⅴ 慶元寺3号墳』
世田谷区教育委員会『1998年度 世田谷区埋蔵文化財調査年報』
- 2015/02/27(金) 02:05:50|
- 世田谷区/喜多見古墳群
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