
「愛宕塚」は、世田谷区奥沢1丁目に所在したとされる古墳です。『東京都遺跡地図』には未登録の古墳です。
この古墳について、『世田谷ふるさとめぐり てくたくぶっく 九品仏コース』に次のように書かれています。
⑨愛宕塚(あたごづか)奥沢1-27
奥沢台地の東南にあり、その下は涌水がありたんぼや畑が広がっていて、その向こうに吞川があります。村の人びとはこのこんもりと高くなったところを愛宕山と呼んでいました。塚の上にはツゲ、ツバキ、ヒイラギなどの大木が茂っていました。この塚の下から横穴墳の人骨が出たことなどから、古墳であろうと思われますが今では人家が建てられているので調べようがありません。塚の高さは奥沢台地で一番高いところでした。(『世田谷ふるさとめぐり てくたくぶっく 九品仏コース』7~8ページ)
この『てくたくぶっく』とは、「てくてく歩いて拓本をとろう」という意味なのだそうで、世田谷区各地の名所・旧跡には拓本をとるための石柱が立てられており、「玉川の郷土を知る会」より地域ごとに全5巻発行されたA6版の小冊子には石柱の場所が記された地図や、解説が書かれています。一ヶ所1ページごとに拓本を取るページがあり、1冊すべての拓本をとると記念品がもらえるそうです。この愛宕塚のような言い伝えでのみ残されている消滅古墳がこういう形で取り上げられているのはなかなか良い企画だと思います。
画像が「愛宕塚」の石柱です。この石柱はてくたくぶっくに書かれているように奥沢台地の一番高いあたりにあり、かなり近い位置に古墳が所在したように思いますが、正確な古墳の跡地まではわかりませんでした。。。
<参考文献>
玉川石標を守る会『世田谷ふるさとめぐり てくたくぶっく 九品仏コース』
- 2015/04/27(月) 00:19:40|
- 世田谷区/その他の古墳・塚
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