
画像は、「草花古墳群5号墳」の跡地周辺を南から見たところです。『東京都遺跡地図』にはあきる野市の遺跡番号59-5番の古墳として登録されています。
『東京都遺跡地図』や、草花遺跡における埋蔵文化財の調査報告書等に掲載されている遺跡地図を参考にすると、この道路の左側あたりが古墳の所在地にあたるようですが、痕跡を見つける事は出来ません。この古墳は平成4年に行われた確認調査の際には把握されており、平成7年(1995)に発行された『多摩地区所在古墳確認調査報告書』には次のように書かれています。
3-5.(草花古墳群)
遺跡地図番号…秋川・五日市(あきる野)59-5
所在地…………秋川市草花1351
占地状況………台地縁辺。
墳丘……………消滅。
主体部…………畑の中に径1m程の範囲で河原石が寄せ集められている。石室自体の残存状態等は不明であるが、もともと地表面に露出していた石室の石を耕作の邪魔にならないように寄せ集めた感じである。これらの石の中には30×50cm大の石も含まれている。
出土遺物………寄せ集められた石の中から須恵器長頸壷の口縁部破片を採集。
(『多摩地区所在古墳確認調査報告書』51ページ)

この調査報告書からすると、河原石が寄せ集められた地点が古墳であるという判断は須恵器片が採集されたことによると思われます。周辺には畑地もかなり残されており、画像のように、周辺には石が積み上げられているような場所も見られるのですが、中には単に耕作に邪魔な石を積み上げただけで古墳とは無関係なものもあるでしょうし、遺跡地図に登録されている場所とは若干のズレもみられます。また、その後の開発により宅地となっている場所も多く、残念ながら跡地がどこにあたるのかはよくわかりませんでした。。。
<参考文献>
秋川市史編纂委員会『秋川市史』
多摩地区所在古墳確認調査団『多摩地区所在古墳確認調査報告書』
- 2015/05/15(金) 01:35:17|
- あきる野市/草花古墳群
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