
「草花古墳群」は、秋留台地の北面に流れる平井川の北岸、草花丘陵を北面にした草花台地に所在します。『秋川市史』によると、草花には48塚があったという古老の言い伝えが残されており、明治の初年頃までは多くの古墳が残されていたことは確かなようですが、そのほとんどは開墾等や後の宅地造成により消滅しています。現在『東京都遺跡地図』に登録されている古墳は11基のみですが、近年には新たに2基の古墳の周溝が検出されており、この一帯にはかなり多くの古墳が存在したと推測されています。
画像は、「草花古墳群1号墳」が所在したとされる周辺を南から見たところです。『東京都遺跡地図』にはあきる野市の遺跡番号59-1番の古墳として登録されています。
『多摩地区所在古墳確認調査報告書』によると、この周辺が宅地化される以前に畑の中に1mあまりの石が7個ほど地表面に遺存しており、地元の人たちには古墳であると語られていたそうですが、宅地造成工事により破壊されて消滅したといわれています。画像中央の道路の左側あたりがかつての古墳の所在地となるようですが残念ながら古墳の痕跡は見当たらないようです。
同書には「未調査だが地中に残っている可能性がある。」とも書かれていますので、今後の調査により周溝等が発見される可能性は残されているのかもしれません。。。
<参考文献>
秋川市史編纂委員会『秋川市史』
多摩地区所在古墳確認調査団『多摩地区所在古墳確認調査報告書』
- 2015/05/22(金) 02:43:29|
- あきる野市/草花古墳群
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