
大田区上池台1丁目付近に所在したとされるのが「池上・平塚」です。『東京都遺跡地図』には大田区の遺跡番号108番の”奈良時代から平安時代の墳墓”として登録されています。
昭和7年(1932)に池上町史編纂會より発行された『池上町史』にはこの塚について「平塚跡 元當町大字池上字平塚にあり、面積七十九坪、圓塔の塚にして周圍は雜木を以て覆はれ、其の形狀より塚たるを想像するのみなり、昔より平塚と云ひ傳へ又地名の平塚より推して古墳なるべしと云ふ。自跡に就ては何等古記の徴すべきものなく詳ならず。」とあり、その後昭和14年(1939)に東京市大森區役所より発行された『大森区史』にはこの塚について、「上池上町の舊字平塚に、面積七十九坪の圓塔の塚で周圍は雑木に覆はれてゐる小丘がある。昔より平塚といひ傳へ又地名の平塚より推して古墳と想像される以外、何等詳しい傳へもない。」と書かれています。どちらもこの「平塚」を古墳ではないかと推定していますが、特に出土した遺物等の記述もなく、古墳であると断定はされていないようです。
画像は、大田区上池台1丁目にある「小池稲荷神社」を北西から見たところです。塚はこの稲荷神社の所在する池上1丁目51番地付近に存在したといわれていますが、すでに周辺は宅地化され、塚の痕跡を見つけることは出来ませんでした。。。
<参考文献>
池上町史編纂會『池上町史』
東京市大森區役所『大森区史』
大田区教育委員会『大田区の文化財第30集 考古学から見た大田区 ―横穴墓・古代・中世 資料集―』
東京都教育委員会『東京都遺跡地図』
- 2015/08/20(木) 00:17:01|
- 大田区/その他の古墳・塚
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