
東京都大田区池上1丁目1番地1号に所在するのが「池上本門寺」です。このお寺は呑川の左岸南東に張り出す標高約25m前後の舌状台地上に所在しており、この台地上には縄文時代から江戸時代にかけての複合遺跡が存在しています。大田区内には、「田園調布古墳群」や「鵜の木・久が原古墳群」等、多摩川左岸の河岸段丘上に多くの古墳が分布しており、さらに下流の沖積低地にも多くの古墳を含む遺跡が分布していますが、少し離れたこの本門寺丘陵上からも2基の古墳が確認されています。
画像は、池上本門寺境内の南東に存在する五重塔を南から見たところです。この五重塔の北東側の墓所から発見されたのが「長栄古墳」です。『東京都遺跡地図』には大田区の遺跡番号234番の古墳として登録されている遺跡です。

「長栄古墳」は、平成13年度に行われた清高院及び高正院殿墓所の調査の際に古墳の周溝が確認され、掘削に伴って須恵器が検出されています。画像は古墳の跡地を西から見たところですが、左側の墓所の地点から周溝が検出されており、中央の通路から右側の墓地のあたりにかけてが古墳の跡地となるようです。

池上本門寺にはあの「力道山の墓」があります。力道山が活躍したのは昭和30年代ですから私はタイムリーに見たことがないのですが、当時は日本中を熱狂させてプロレスブームを生み出した伝説のプロレスラーです。境内には「力道山の墓所はあちらです」と立て札がたくさん立っていて、すぐに見つけることが出来ます。
<参考文献>
東京都教育委員会『東京都遺跡地図』
日蓮宗大本山 池上本門寺『近世大名家墓所の調査』
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- 2015/09/21(月) 23:45:55|
- 大田区/その他の古墳・塚
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