FC2ブログ

古墳なう

「大都市、東京の失われた古墳を探せ!」をテーマに、 ご〜ご〜ひでりんが実際に現地に足を運んで確認した古墳や塚の探訪記録。

「虎塚古墳と虎塚古墳群 その1」

「虎塚古墳と虎塚古墳群 その1」

 装飾古墳として有名な国指定史跡「虎塚古墳」は茨城県ひたちなか市に所在する前方後円墳です。この古墳は、昭和48年(1973)に開始された発掘調査により良好な状態の彩色壁画が発見されて話題になりました、古墳は常時無料で見学ができますが石室内は通常非公開となっており、毎年春と秋に一般公開されています。今回は、平成27年の秋季一般公開ということで、この「虎塚古墳」の見学に行ってきました。

 画像は、整備された虎塚古墳へ向かう入口のあたりのようすです。年に2回の一般公開とあって入口には幟や看板が立てられていて華やかな感じです。大勢のボランティアとみられる学生たちの姿も見られましたが、「虎塚古墳入口→」の看板は学生たちの手作りなのでしょうか。。。
 この奥に、虎塚古墳群1号墳である「虎塚古墳」が保存されています。


「虎塚古墳と虎塚古墳群 その1」

 画像は後円部を南西から見たところです。石室は午前9時に公開というところで、私が現地についたのは10時近かったと思います。整理番号はちょうど40番でした。1番乗りしようと張り切って出掛けたのですが、高速の出口のあたりで「十五郎穴(横穴墓群)」が視界に入って、ついついこの横穴墓に先に向かってしまいました。笑。お天気も快晴でしたので、綺麗な写真が撮れました。


「虎塚古墳と虎塚古墳群 その2」

 「虎塚古墳」は、本郷川右岸の東中根台地上に築造された古墳です。周辺地域では古くから知られていたといわれており、江戸時代の地誌『水府志料』には「とらが塚」という名称で紹介されているそうです。古墳の規模は、全長56.5m,後円部直径32.5m,高さ5.5m,前方部幅38.5m,高さ5mで、発達した前方部は後円部より大きく開き、前方部と後円部の高さの差があまりない、典型的な古墳時代後期の特徴を持っています。築造は7世紀後半と推定されています。


「虎塚古墳と虎塚古墳群 その1」

 画像はくびれ部を南西から見たところです。画像の左側が前方部、右側が後円部です。今回は古墳の大きさを感じられるように人が写っている画像を選んでみました。高さがある古墳であるのがわかると思います。


「虎塚古墳と虎塚古墳群 その1」

 画像は、墳丘南側の周溝のようすです。この古墳の周溝は左右対称ではないのが特徴で、墳丘の北側はほぼ一直線になっているのに対して南側はくびれ部あたりで墳丘に沿う形となっています。画像を見ると周溝がくの時に曲がっているようすがわかります。


「虎塚古墳と虎塚古墳群 その1」

 後円部から前方部を見たところです。
 石室内部には、頭部を北向きにした人骨一体があり、遺骸の左側には青銅製責金具を装着した刀子1口が1本添えてあったそうです。人骨は身長160cm前後の成人男性であったそうですが、ほとんど腐朽しており、人の形に骨粉の分布が認められる状態であったようです。一体どんな人物が埋葬されていたのでしょうか。


「虎塚古墳と虎塚古墳群 その1」

 前方部から後円部を見たところ。
 この古墳の第一次調査は昭和48年8月16日から行われたそうです。9月11日に石室閉塞部の礫がすべて取り除かれ、翌12日に多くの見学者や報道関係者の見守る中、現門の扉が開かれた際に先頭の調査員より「壁画だ!」という第一声がおこったそうです。あの奈良県明日香村の「高松塚古墳」が発掘された翌年の出来事ですから、最初に発見した調査員はさぞかし驚いたことでしょうね。


「虎塚古墳と虎塚古墳群 その1」

 さて、残念ながら石室の撮影はNGだったのですが、併設されている埋蔵文化財調査センター内に公開されている原寸大のレプリカを見学することが出来ました。画像はこのレプリカのようすです。
 石室内部の壁画は、玄門部と玄室内に描かれた幾何学文と玄室の奥壁、東壁、西壁にある具象的な図文から構成されています。凝灰岩の表面に白色粘土を塗り、ベンガラ(酸化第二鉄)で描かれたというこの壁画は、呪術的な性格を有した魔除のためのものであると考えられているようですが、東国において類例が殆ど見られない連続三角文などの図柄は九州の装飾古墳壁画には多く見られるようです。当時、遠く離れたこの地に移住して来た人がいたのでしょうか?それとも古墳を作る技術者が移住して来たのでしょうか。とてもとても興味深いと思います。。。


「虎塚古墳と虎塚古墳群 その1」

 昭和55年に公開保存施設が完成し公開施設は鉄筋コンクリートで作られていて内部は三部屋に別れています。施設内部の天井や壁は防水、断熱材が使用されており、断熱材を使用したステンレス製の扉に区切られています。画像はその、入口の部分の扉です。ここから奥は撮影は出来ませんでしたが、見学者の出入りや外気の影響を軽減するための仕組みになっているそうです。
 この入口をくぐって一番奥の部屋に入るとそこには閉塞石が置かれていて、この閉塞石は生で見ることが出来ます。その右側に観察窓が設置されていて、その窓越しに壁画を見学するようになっています。関東で暮らしていると装飾古墳を見学する機会は限られていますので、なかなか貴重な体験でした。

 次回、「虎塚古墳と虎塚古墳群 その2」へ続く。。。

<参考文献>
茨城県ひたちなか市教育委員会『史跡 虎塚古墳 −発掘調査の概要−』


人気ブログランキングへ

  1. 2015/11/04(水) 23:59:42|
  2. 茨城県の古墳
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<「虎塚古墳と虎塚古墳群 その2」 | ホーム | 「堂が谷戸1号墳」>>

コメント

こんにちは。

遅ればせながら、まとめて読ませて頂きました◎
壁画って茨城県にもあったのですね、初めて知りました。
東京の古墳以外は見た事がないのですが、他県のは大きいのでしょうね。
色んな古墳探訪、これからも楽しみにしています◎
  1. 2015/11/10(火) 16:11:27 |
  2. URL |
  3. 紅一点 #-
  4. [ 編集 ]

紅一点さま、こんばんは。

装飾古墳は九州方面に多く存在するのは知っていましたが、なかなか九州まで足を運ぶのは難しいですからね。
東京以外の古墳写真もなるべく紹介していこうと思っています。
  1. 2015/11/11(水) 20:19:00 |
  2. URL |
  3. ご〜ご〜ひでりん #OsZoF7Es
  4. [ 編集 ]

壁画の三角形

▽は天界を表し霊の世界や霊体を象徴する記号で、△は地上界を表し肉体や物質的な面を象徴する記号です。つまりここは天界と地上界が交わる神聖な所であることを意味しています。神社の屋根によく見られるXという形と同様です。この二つの三角記号が重なるとダビデの星の記号になり、霊体と肉体が完全に融合した不死不滅と永遠の生命体を表します。
  1. 2017/08/20(日) 21:36:24 |
  2. URL |
  3. 授理庵 #V/eWO2eE
  4. [ 編集 ]

授理庵さま、こんばんは。

そうなのですね!どういう起源で日本に入ってきたものなのか不思議です。
東京近郊は、石室を見ることの出来る古墳はほとんど皆無なのですが、休みの間係でなかなか遠方の古墳を見に訪れることはできません。
虎塚古墳の見学は貴重な経験でした!
  1. 2017/08/20(日) 23:03:19 |
  2. URL |
  3. ご〜ご〜ひでりん #OsZoF7Es
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://gogohiderin.blog.fc2.com/tb.php/443-a43d3f65
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

カテゴリ

足立区/伊興古墳群 (4)
足立区/その他の古墳・塚 (9)
葛飾区/立石古墳群 (3)
葛飾区/その他の古墳・塚 (10)
江戸川区の古墳・塚 (0)
板橋区/志村古墳群 (10)
板橋区/その他の古墳・塚 (36)
北区/赤羽台古墳群 (2)
北区/十条台古墳群 (2)
北区/飛鳥山古墳群 (8)
北区/田端西台通古墳群 (1)
北区/その他の古墳・塚 (13)
荒川区/尾久 微高地 (4)
荒川区/町屋-三河島 微高地 (19)
荒川区/南千住 微高地 (3)
荒川区/日暮里 台地上 (2)
台東区/上野台古墳群 (5)
台東区/その他の古墳・塚 (7)
墨田区の古墳・塚 (4)
練馬区の古墳・塚 (16)
豊島区の古墳・塚 (3)
文京区の古墳・塚 (8)
杉並区の古墳・塚 (17)
中野区の古墳・塚 (17)
新宿区の古墳・塚 (18)
千代田区の古墳・塚 (7)
目黒区の古墳・塚 (9)
渋谷区の古墳・塚 (19)
港区の古墳・塚 (8)
品川区/品川大井古墳群 (7)
品川区/その他の塚 (15)
大田区/田園調布古墳群 (34)
大田区/鵜の木・久が原古墳群 (8)
大田区/その他の古墳・塚 (52)
世田谷区/野毛古墳群 (24)
世田谷区/殿山古墳群 (9)
世田谷区/大蔵古墳群 (0)
世田谷区/砧中学校古墳群 (2)
世田谷区/喜多見古墳群 (13)
世田谷区/砧古墳群その他 (8)
世田谷区/その他の古墳・塚 (16)
武蔵野市の古墳・塚 (2)
三鷹市の古墳・塚 (7)
狛江市/狛江古墳群(和泉) (33)
狛江市/狛江古墳群(岩戸) (7)
狛江市/狛江古墳群(猪方) (29)
狛江市/その他の古墳・塚 (0)
調布市/国領南古墳群 (2)
調布市/下布田古墳群 (16)
調布市/上布田古墳群 (7)
調布市/下石原古墳群 (2)
調布市/飛田給古墳群 (17)
調布市/その他の古墳・塚 (12)
府中市/武蔵府中熊野神社古墳 (2)
府中市/白糸台古墳群 (14)
府中市/高倉古墳群 (32)
府中市/御嶽塚古墳群 (19)
府中市/その他の古墳・塚 (11)
国立市/下谷保古墳群 (12)
国立市/青柳古墳群 (3)
国立市/その他の古墳・塚 (9)
立川市の古墳・塚 (14)
稲城市の古墳・塚 (12)
多摩市/和田古墳群 (15)
多摩市/その他の古墳・塚 (6)
日野市/平山古墳群 (7)
日野市/西平山古墳群 (5)
日野市/七ッ塚古墳群 (8)
日野市/万蔵院台古墳群 (4)
日野市/その他の古墳・塚 (10)
町田市/能ケ谷香山古墳群 (0)
町田市/その他の古墳・塚 (18)
八王子市の古墳・塚 (33)
昭島市/浄土古墳群 (1)
昭島市/その他の古墳・塚 (2)
あきる野市/森山古墳群 (3)
あきる野市/草花古墳群 (14)
あきる野市/御堂上古墳群 (4)
あきる野市/瀬戸岡古墳群 (7)
あきる野市/牛沼古墳群 (3)
あきる野市/その他の古墳・塚 (16)
日の出町の古墳・塚 (2)
青梅市の古墳・塚 (15)
西東京•清瀬•東久留米市の塚 (5)
小金井•小平•国分寺市の塚 (0)
東村山•東大和•武蔵村山市の塚 (14)
福生市•羽村市•瑞穂町の塚 (12)
川崎市の古墳・塚 (47)
横浜市の古墳・塚 (0)
相模原市の古墳・塚 (6)
栃木県の古墳 (13)
那須町•大田原市•那珂川町 (8)
壬生町•上三川町 (5)
長野県の古墳 (6)
群馬県の古墳 (8)
茨城県の古墳 (5)
埼玉県の古墳 (2)
千葉県の古墳 (1)
未分類 (8)

最新記事

最新コメント

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR