
調布市内の古墳の多くは多摩川左岸、立川段丘の崖線上に存在しており、主に5世紀前半から7世紀にかけて築造された円墳により、古墳が密集する群集墳として形成されています。これらの古墳群は遺跡名から名称が付けられており、東から国領南古墳群、下布田古墳群、上布田古墳群、下石原古墳群、飛田給古墳群と呼称されています。このうち、国領南古墳群から下布田古墳群、上布田古墳群までは古墳は連続して存在しており、また飛田給古墳群も府中市の白糸台古墳群まで連続性が見られるものの、この中間に位置する下石原古墳群は古墳群の連続性が途切れるかのように、確認された古墳が非常に少ない地域です。
「下石原3号墳」は、すでに消滅して墳丘が存在しない古墳です。『東京都遺跡地図』にはなぜかこの古墳は登録されていないようです。画像の、調布市下石原3丁目の「調布市下石原集会所」のあたりが古墳の跡地で、平成13年(2001)の発掘調査により周溝とブリッジ部が検出されています。
下石原古墳群は、それまでの分布調査や聞き取り調査により古墳の存在が全く予測されていなかった地域ですが、昭和60年(1985)に埋葬施設が検出された「下石原1号墳」と「同2号墳」の2基の古墳に続き、この「3号墳」が発見されたことにより、下石原古墳群が上布田古墳群や飛田給古墳群と離れて存在していたのではなく、連続性を持って古墳群が形成されていた可能性も考えられているようです。

画像の坂道を登り切ったあたりが下石原3号墳の跡地です。この古墳が立川段丘の崖線上の縁辺部に所在したようすがわかります。今後の調査により、新たな古墳が発見される日も近いかもしれませんね。。。
<参考文献>
調布市遺跡調査会『下石原遺跡』2003
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- 2015/11/22(日) 23:00:23|
- 調布市/下石原古墳群
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