
多摩川中流域左岸に立地するこの一帯は「下布田遺跡」と呼ばれており、縄文時代から古墳時代、奈良・平安時代の集落、太平洋戦争に関連する遺構などが発見されています。遺跡東部の約5000㎡の区域が、縄文時代晩期の数少ない遺跡として昭和62年に国史跡として指定されており、その北側に、古墳が帯状に集中して造られた下布田古墳群が所在します。これまでに14基の古墳が確認されており、これらの古墳は5世紀前半に造られ始め、7世紀前半まで続いたことがわかっています。
画像は「下布田9号墳」の跡地を南から見たところです。手前の畑から奥の道路にかけてが古墳の跡地となるようですが、この古墳も墳丘はすでに存在しない古墳で、道路の部分から検出された周溝の約2分の1が調査されています。模は内径22.8~23.6m、外径30.5mのブリッジ付円墳で、周溝から土師器壺や坩が出土しています。埋葬施設も確認されなかったようですが、周溝内土坑(周溝の中に築かれた埋葬施設)が5ヶ所確認されています。この古墳の築造は5世紀前半と推定されています。
この11号墳は畑や道路の地中に周溝が残されているのではないかと思われますが、残念ながら地上に古墳の痕跡を見ることは出来ません。。。

画像は、下布田9号墳の周溝内から出土したという土師器壺です。調布市小島町の調布市郷土博物館に展示されています。
<参考文献>
多摩地区所在古墳確認調査団『多摩地区所在古墳確認調査報告書』
調布市郷土博物館『下布田古墳群の調査』2003
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- 2015/12/20(日) 00:28:36|
- 調布市/下布田古墳群
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