
飛田給古墳群は、調布市の最西端に位置しており、府中崖線上の立川段丘面縁辺部に所在する古墳群です。東には下石原古墳群が、西には府中市の白糸台古墳群が隣接しており、飛田給古墳群と府中市白糸台古墳群は主体部や墳丘の規模、構造等がほぼ共通しており、行政区分は異なるものの一連の古墳群であると考えられています。
明治初年の地租改正の際に作成された『地籍図』をみると、現在削平されてしまった古墳ではないかと思われる地割りが残されています。この周辺の地割りは長方形か方形の整然とした区画が基本であるようですが、この中に不規則に小さな区画を見ることができます。この地籍図が作成された時点では古墳の墳丘の高まりが残されていたのではないかと考えられています。
「飛田給5号墳」も地籍図の検討により古墳の存在が予想されていた地点です。方墳である可能性も考えられている古墳で、『東京都遺跡地図』には調布市の遺跡番号51-5番の古墳として登録されています。もしもこの古墳が方墳であれば、南北約28m、東西約25mの規模となるようですが、これまでの飛田給古墳群の調査に置いて確認された墳形は円形のみであることから、飛田給5号墳を取り巻く方形周溝状遺構が古墳の周溝であるとは断定されていないようです。埋葬施設は河原石積横穴式石室で、石室内からは鉄製品が出土しています。
画像は調布市飛田給2丁目、品川通りの飛田給2丁目西交差点付近を西から見たところです。道路から、右側の宅地にかけてが古墳の所在地となるようですが、残念ながら古墳の痕跡を見ることは出来ません。。。
<参考文献>
調布市市史編集委員会『調布市史 上巻』
多摩地区所在古墳確認調査団『多摩地区所在古墳確認調査報告書』
調布市教育委員会・調布市遺跡調査会『桜塚古墳』2000
調布市教育委員会『調布市の遺跡調査 -第7集-』
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- 2015/12/29(火) 13:26:04|
- 調布市/飛田給古墳群
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