
画像は、府中市美好町3丁目にある「浅間神社」を東から見たところです。この神社の敷地内には府中市の遺跡番号「4-G」の遺跡が登録されており、発掘調査が行われていないために古墳であると断定はされていないものの、古墳ではないかと考えられているようです。
江戸時代には屋敷分村の鎮守であったといわれるこの神社については『新編武蔵風土記稿』に記述が見られ、屋敷分村の項に「富士浅間社 除地、四段、小社、持添新田にあり、社地塚の如く平地より築出す、村内の鎮守、例祭九月九日、村持」と書かれています。「社地塚の如く平地より築出す」という表現が微妙な言い回しであるように思いますが、果たしてこの場所に古墳が存在したのでしょうか。

画像が浅間神社境内のようすです。現在でも社殿の場所が一段高くなっているようですが、これが古墳の痕跡といえるかどうかは素人の私には何ともいえないところです。この古墳についての情報は少なく、塚の言い伝えや発掘の記録、出土した遺物等の情報も皆無で、詳しいことはわかりませんでした。

境内の木の根本の部分を見ると、確かにかつてはもう少し地面が高かったのではないかとも思います。埴輪片や土器片などが落ちていないか表面観察をしましたが、それらしき遺物は見当たらないようです。

『南武武蔵の古墳』や『府中市内旧名調査報告書 道・坂・塚・川・堰・橋の名前』、『多摩地区所在古墳確認調査報告書』に掲載されている高倉古墳群の分布図から推測すると、画像の境内末社のあたりが古墳の跡地ではないかと思われるのですが、古墳らしき痕跡は全く存在しないようです。
高倉古墳群のまっただ中に所在する神社ですから古墳が存在した可能性も十分に考えられるとは思いますが、この古墳に関しては今後の調査を待つよりほかないようです。。。
<参考文献>
府中市郷土の森博物館『南武武蔵の古墳』
府中市教育委員会『府中市内旧名調査報告書 道・坂・塚・川・堰・橋の名前』
多摩地区所在古墳確認調査団『多摩地区所在古墳確認調査報告書』
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- 2016/02/28(日) 00:14:06|
- 府中市/高倉古墳群
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