
「高倉古墳群」は府中市西方、京王線分倍河原駅の西側に広がる立川段丘緩斜面一帯に位置する古墳群です。その多くは墳丘が失われているものの、周溝を持つ直径9~26mの円墳で構成されています。このうち、比較的規模の大きい古墳は木棺直葬であると推測されており、発掘された周溝からの出土品から6世紀前半頃の築造と考えられています。また、規模の小さな古墳は河原石積横穴式石室を主体部に持ち、石室から出土した埋葬品から6世紀後半から7世紀にかけて築造されたと考えられています。
「高倉1号墳」は、府中市遺跡調査会により昭和51~52年にかけて行われた新設道路工事のための第16次調査により、古墳の周溝が検出されています。規模は内径14.6mの周囲に幅1.9~2.7mの周溝が廻る円墳と推定されており、主体部は検出されず不明とされています。
画像中央の道路が左に折れ曲がったあたりが1号墳の跡地となるようです。この1号墳の西方には、府中市の文化財に指定されている「高倉塚古墳(高倉26号墳)」が残存しており、かつては府中崖線縁辺に並ぶように2基の古墳が存在したようですが、1号墳に関しては残念ながら地上に痕跡を見つけることは出来ませんでした。。。
<参考文献>
多摩地区所在古墳確認調査団『多摩地区所在古墳確認調査報告書』
府中市教育委員会・府中市遺跡調査会『武蔵国府関連遺跡調査報告 40』
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- 2016/03/01(火) 01:45:09|
- 府中市/高倉古墳群
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