
「高倉古墳群」は府中市西方、京王線分倍河原駅の西側に広がる立川段丘緩斜面一帯に位置する古墳群です。その多くは墳丘が失われているものの、周溝を持つ直径9~26mの円墳で構成されています。このうち、比較的規模の大きい古墳は木棺直葬であると推測されており、発掘された周溝からの出土品から6世紀前半頃の築造と考えられています。また、規模の小さな古墳は河原石積横穴式石室を主体部に持ち、石室から出土した埋葬品から6世紀後半から7世紀にかけて築造されたと考えられています。
「高倉古墳群 2号墳」は、昭和55年(1980)に行われた第101次調査により周溝の南側部分が、その後の平成6年(1994)に行われた783次調査により周溝の北側部分の一部が検出されています。この2箇所の調査により復元される規模は、周溝内径23.8m、周溝幅2.3~3.6mで、円墳であると考えられています。101次、783次の2度とも調査が墳丘中央まで至らず、主体部の構造までは確認されていないようです。
画像は府中市美好町3丁目の「高倉2号墳」の跡地を南西から見たところです。古墳の墳丘はすでに消滅しており、地上に痕跡は何も残されていないようです。。。
<参考文献>
多摩地区所在古墳確認調査団『多摩地区所在古墳確認調査報告書』
府中市教育委員会・府中市遺跡調査会『武蔵国府の調査 33』
府中市教育委員会・府中市遺跡調査会『武蔵国府の調査 35』
府中市教育委員会・府中市遺跡調査会『武蔵国府関連遺跡調査報告 40』
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- 2016/03/02(水) 00:02:08|
- 府中市/高倉古墳群
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