
「高倉古墳群」は府中市西方、京王線分倍河原駅の西側に広がる立川段丘緩斜面一帯に位置する古墳群です。その多くは墳丘が失われているものの、周溝を持つ直径9~26mの円墳で構成されています。このうち、比較的規模の大きい古墳は木棺直葬であると推測されており、発掘された周溝からの出土品から6世紀前半頃の築造と考えられています。また、規模の小さな古墳は河原石積横穴式石室を主体部に持ち、石室から出土した埋葬品から6世紀後半から7世紀にかけて築造されたと考えられています。
平成元年に行われた武蔵国府関連遺跡第455次調査とその後の平成2~3年にかけて行われた第569次調査により、密集する9基(高倉古墳群6~14号墳)の古墳が確認されています。「高倉6号墳」は第455次調査において周溝と河原石積横穴式石室を用いる主体部が検出されており、その後の第569次調査でも周溝が検出されています。規模は内径12.4mの周囲を幅0.9~1.7mの周溝が巡る円墳であると考えられています。
遺物は、玄室から中央部で折れた鉄刀が重なった状態で出土し、また至近より鍔も出土しており、この鉄刀の棟部分の中央には円文状の銀象嵌が施されていることがわかっているそうです。また石室内より刀子、鉄鏃、金環、滑石製の臼玉、砥石が出土しています。
この古墳も残念ながら地上に痕跡を見ることはできないようです。。。
<参考文献>
多摩地区所在古墳確認調査団『多摩地区所在古墳確認調査報告書』
府中市教育委員会・府中市遺跡調査会『武蔵国府の調査 29』
府中市教育委員会・府中市遺跡調査会『武蔵国府の調査 31』
府中市教育委員会・府中市遺跡調査会『武蔵国府関連遺跡調査報告 40』
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- 2016/03/07(月) 01:27:49|
- 府中市/高倉古墳群
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