
「高倉古墳群」は府中市西方、京王線分倍河原駅の西側に広がる立川段丘緩斜面一帯に位置する古墳群です。その多くは墳丘が失われているものの、周溝を持つ直径9~26mの円墳で構成されています。このうち、比較的規模の大きい古墳は木棺直葬であると推測されており、発掘された周溝からの出土品から6世紀前半頃の築造と考えられています。また、規模の小さな古墳は河原石積横穴式石室を主体部に持ち、石室から出土した埋葬品から6世紀後半から7世紀にかけて築造されたと考えられています。
「高倉古墳群 7号墳」は、平成元年に行われた武蔵国府関連遺跡第455次調査により周溝と河原石積横穴式石室を用いる主体部が検出された古墳です。規模は内径16.6mの周囲を幅0.7~1.3m、深さ13~39cmの周溝が巡る円墳であると考えられています。石室内より刀子、鉄鏃が出土しており、6世紀末から7世紀にかけて築造された古墳であると推定されています。
画像の道路から左側の集合住宅にかけてが古墳の跡地であると思われますが、やはり地上に痕跡を見ることはできませんでした。。。
<参考文献>
多摩地区所在古墳確認調査団『多摩地区所在古墳確認調査報告書』
府中市教育委員会・府中市遺跡調査会『武蔵国府の調査 29』
府中市教育委員会・府中市遺跡調査会『武蔵国府の調査 31』
府中市教育委員会・府中市遺跡調査会『武蔵国府関連遺跡調査報告 40』
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- 2016/03/08(火) 22:30:08|
- 府中市/高倉古墳群
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