
「高倉古墳群」は府中市西方、京王線分倍河原駅の西側に広がる立川段丘緩斜面一帯に位置する古墳群です。その多くは墳丘が失われているものの、周溝を持つ直径9~26mの円墳で構成されています。このうち、比較的規模の大きい古墳は木棺直葬であると推測されており、発掘された周溝からの出土品から6世紀前半頃の築造と考えられています。また、規模の小さな古墳は河原石積横穴式石室を主体部に持ち、石室から出土した埋葬品から6世紀後半から7世紀にかけて築造されたと考えられています。
府中市分倍町1丁目からは、武蔵国府関連遺跡の第592次調査により高倉15号墳、16号墳、17号墳の3基の古墳が検出されています。画像は「高倉17号墳」の跡地を南から見たところです。17号墳は、推定内径14.0mの周囲を幅1.4~2.4mの周溝が巡る円墳と推定されています。周溝内からは土師器の半球形の坏が出土しています。主体部はすでに削平されてたものと考えられており、川原石積横穴式石室の可能性も考えられるものの、主体部の掘り込みがローム層中に及んでいないことから、木棺直葬の可能性も考えられているようです。画像の集合住宅のあたりが古墳の跡地となるようで、古墳の北側はJR南武線の敷地となり台地ごと消滅しているようです。残念ながらこの古墳も痕跡を見つけることは出来ませんでした。。。
<参考文献>
多摩地区所在古墳確認調査団『多摩地区所在古墳確認調査報告書』
府中市教育委員会・府中市遺跡調査会『武蔵国府の調査 31』
府中市教育委員会・府中市遺跡調査会『武蔵国府関連遺跡調査報告 40』
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- 2016/03/21(月) 01:40:13|
- 府中市/高倉古墳群
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