
日野市の南方、多摩川の支流である大栗川の下流域左岸、その大栗川の支流である倉沢川と谷戸川に挟まれた舌状台地上に存在するのが「万蔵院台古墳群」です。昭和49年(1974)に行われた調査により、縄文時代後期や古墳時代後期の住居址とともに主体部を土壙内に構築する横穴式石室が検出されています。また、翌昭和50年に行われた第2次調査では横穴式石室を持つ2基の古墳が検出されています。
画像は、第1号古墳を北東から見たところです。この古墳は耕作により墳丘が完全に消滅しており、調査以前にすでに何の痕跡も残されていなかったようです。周溝も検出されなかったため古墳の規模も不明で、土壙内から検出された主体部が唯一の施設です。石室内からは金環4点と鉄鏃2点須恵器片が出土しています。

画像は、近距離から撮影した万蔵院台1号墳のようすです。石室は埋め戻されているものの、石材の一部が露出しています。この場所のみ、耕作は行われていないようなので、地中にはまだ埋葬施設が残存するものと思われます。
この日は土地の所有者の方に声をかけて見学させていただきました。ありがとうございました。
<参考文献>
日野市史編さん委員会『日野市史 史料集 考古資料編』
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- 2016/03/27(日) 23:32:38|
- 日野市/万蔵院台古墳群
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