
「宮前塚」は、品川区旗の台6丁目付近に所在したとされる、『東京都遺跡地図』には未登録の塚です。
この塚については、昭和41年(1966年)に発行された『荏原中延史 前編』に記述が見られ、「中延大原北に宮前塚と稱する塚がある。十二、三尺の丘陵で雑木が生えて居た。大正年間田園都市が開設されるに及んで、心なき人夫に依つて壊されて了つた。この塚の伝説は宮前塚とも宮塚ともいわれるだけで他には詳しい記録も伝説もない。ただ所在位置の点から推して南北朝時代のものであるかと思う。」と書かれています。塚についての由来、伝承や出土遺物等の詳細は不明であるようですが、同書の付図には塚の所在地が記されています。
画像は、宮前塚が所在したとされる周辺を南から見たところです。正確な跡地までは特定できませんが、恐らくは画像の道路の右側あたりが塚の跡地であると思われます。この周辺で一番高くなった場所で、いかにも塚の所在地らしき場所ですが、個人の邸宅内に塚の痕跡が残されている可能性は考えられるものの、路上から観察したところでは塚は削平されて消滅しているようです。
この宮前塚が古墳であった可能性は考え難いように思いますが、果たしてどんな性格の塚だったのでしょうか。。。
<参考文献>
芳根彌三郎『荏原中延史 前編』
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- 2016/08/18(木) 02:37:48|
- 品川区/その他の塚
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