
「渋谷区№23遺跡」は、渋谷区代々木神園町に所在したとされる3基の円墳の総称です。すでに墳丘は削平されて消滅しているようですが、『東京都遺跡地図』には渋谷区の遺跡番号23番の古墳として登録されています。
この古墳については昭和41年(1966)に発行された『新修 渋谷区史 上巻』に記述が見られ、「代々木山谷町の旧練兵場北隅にかつて存在した円墳三基からは、種々の須恵器、直刀に加えて鏡も出土した由であるが、その詳細については今日知る所がない。」と書かれています。この丘陵上に3基の円墳が存在しており、出土した遺物の言い伝えも残されているようですが、開発の進んだ現在では古墳の正確な所在地はわからなくなっていたようです。
その後、昭和57年(1982)の東京都心部遺跡分布調査における古地図の検討が行われ、昭和12年の1万分の1地形図に記されている塚状の地形が確認されたことにより、おおよその古墳の位置が判明しています。戦後の空中写真を確認すると、ほぼ同じ位置に古墳らしき影を見ることができますので、少なくともこの場所に何らかの遺構が存在したことは間違い無いようです。ただし、3基存在したとされる残る2基の所在地についてはわからなくなっているようです。
画像に見える、台地上のマンションの奥あたりか、隣接する国立オリンピック記念青少年総合センターの敷地あたりが古墳の跡地であると思われますが、残念ながら痕跡は何も残されていないようです。。。
<参考文献>
東京都渋谷区『新修 渋谷区史 上巻』
東京都教育委員会『都心部の遺跡』
東京都教育委員会『東京都遺跡地図』
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- 2016/10/10(月) 00:30:53|
- 渋谷区の古墳・塚
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