
「小人見塚」は、府中市浅間町1丁目に所在したとされる塚です。現在すでに消滅して存在しない塚で『東京都遺跡地図』には未登録となっています。
府中市教育委員会より発行された『府中市内旧名調査報告書 道・坂・塚・川・堰・橋の名前』によると、この塚は旧なかみちと旧こみとめ道の間にあり、だらだらした塚で、面積は1町歩ほどもあったといわれています。古くから知られた存在であったと考えられ、江戸時代の地誌『武蔵名勝図会』には「神領八幡宿。八幡宮の大門口、鳥居際より甲州街道をへだて北東の方にあり。廻り凡そ百歩許。高さ6尺程なり。謂われ不知。小人見塚と号するは、この塚より人見村へ接し、また人見村の堂山、中山などと同じ土にて、ここの土にあらず。人見村の土と同じければ人見山と号する由なり。他所の土を以て築きたる塚也。」とあり、『新編武蔵風土記稿』には「(前略)街道の北に当れる陸田の内に、小人見村と唱るあり、周廻三十間許、高五尺程、其來由はしれず。」と書かれています。
画像は、東京都立府中の森公園内の「小人見塚」の跡地周辺のようすです。塚はすでに消滅しているはずで、画像の塚は公園の整備の際に造られた築山であると思われますが、『府中市内旧名調査報告書 道・坂・塚・川・堰・橋の名前』の付図に記された小人見塚の跡地にぴったりと重なる感じで築山が存在したので、塚の面影というイメージで掲載してみました。。。
<参考文献>
府中市教育委員会『府中市内旧名調査報告書 道・坂・塚・川・堰・橋の名前』
多摩地区所在古墳確認調査団『多摩地区所在古墳確認調査報告書』
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- 2017/01/14(土) 13:12:07|
- 府中市/その他の古墳・塚
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