
「西岡第20号古墳」と「西岡第21号古墳」は、大田区田園調布5丁目に所在したとされる古墳です。『東京都遺跡地図』には、西岡第20号古墳が大田区の遺跡番号9番に、西岡第21号古墳が10番の古墳(円墳)として登録されています。
この2基の古墳は、後に大田区立郷土博物館の館長を努める西岡秀雄氏により行われた荏原台古墳群の分布調査により把握されています。この調査報告が掲載されている「荏原台地に於ける先史及び原始時代の遺跡遺物」『考古学雑誌 第26巻 第5号』には次のように紹介されています。
第二十號古墳
(所在位置)舊地名 東京都荏原郡東調布町大字上沼部
新地名 東京市大森區田園調布四丁目八四東光院所有地
(型式)圓型墳
(現況其の他)雑木林中にある。未發掘。
第二十一號古墳
(所在位置)舊地名 東京都荏原郡東調布町大字上沼部
新地名 東京市大森區田園調布四丁目八二東光院所有地
(型式)圓型墳
(現況其の他)雑木林中にあり、一部は畑地となり崩壊せられ、又採掘された痕跡があるが其の詳細不明。高さ三•五米。(『考古学雑誌 第26巻 第5号』313~314ページ) 画像の左奥あたりに古墳が存在したものと思われますが、2基ともに完全に消滅しており、残念ながら古墳の痕跡は全く見られないようです。。。
<参考文献>
西岡秀雄「荏原台地に於ける先史及び原始時代の遺跡遺物」『考古学雑誌 第26巻 第5号』
東京都教育委員会『都心部の遺跡』
東京都教育委員会『東京都遺跡地図』
大田区大田西地域行政センターまちなみ整備課『大田区古墳ガイドブック―多摩川に流れる古代のロマン』
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- 2017/05/08(月) 02:09:08|
- 大田区/田園調布古墳群
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