
「西岡第30号古墳」は、大田区田園調布5丁目に所在したとされる古墳で、『東京都遺跡地図』には大田区の遺跡番号19番に登録されています。この古墳は、西岡秀雄氏により行われた荏原台古墳群の分布調査により把握されており、この調査報告が掲載されている「荏原台地に於ける先史及び原始時代の遺跡遺物」『考古学雑誌 第26巻 第5号』には次のように記載されています。
第三十號古墳
(所在位置)舊地名 東京都荏原郡東調布町大字上沼部字新居里
新地名 東京市大森區田園調布四丁目一二二、早田氏邸内
(型式)圓型墳
(發掘者氏名及び出土品等)荏原郡史蹟調査部 耳環・小刀・管玉等 昭和二年
(現況其の他)現在は邸宅地となり全く原形を留めない。詳細不明。
(『考古学雑誌 第26巻 第5号』316ページ)
昭和60年(1985)に発行された『都心部の遺跡』にはこの古墳について「空地の道路側に僅かの土盛が存在するのみ。」と記載されており、分布図に位置が記されています。また、所在地の住所も記載されています。これを参考にすると、ちょうど画像の道路のあたりに古墳が存在したのではないかと思われます。記載されている住所は道路の左側にあたるようですが、当時存在した僅かの土盛が存在する空地とは、道路の右側ではないかと思われます。
画像の、民家の庭の道路側がわずかに高くなっており、これが古墳の痕跡なのではないかとも考えましたが、真相はわかりませんでした。。。
<参考文献>
西岡秀雄「荏原台地に於ける先史及び原始時代の遺跡遺物」『考古学雑誌 第26巻 第5号』
東京都教育委員会『都心部の遺跡』
東京都教育委員会『東京都遺跡地図』
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- 2017/05/18(木) 00:25:04|
- 大田区/田園調布古墳群
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