
「西岡第33号古墳」は、大田区田園調布4丁目に所在したとされる古墳で、『東京都遺跡地図』には大田区の遺跡番号22番に登録されています。この古墳は、西岡秀雄氏により行われた荏原台古墳群の分布調査により把握されており、この調査報告が掲載されている「荏原台地に於ける先史及び原始時代の遺跡遺物」『考古学雑誌 第26巻 第5号』には次のように記載されています。
第三十三號古墳
(所在位置)舊地名 東京都荏原郡東調布町大字上沼部
新地名 東京市大森區田園調布四丁目一一一
(型式)圓型墳
(發掘者氏名及び出土品等)
西岡 秀雄…土器(鉢形) 昭和七年
(現況其の他)現在は邸宅地となり全く原形を留めない。高さ約四・五米。
(『考古学雑誌 第26巻 第5号』317ページ) 一番最近「田園調布古墳群」を散策してみたのは今年に入ってからのことです。20号墳〜24号墳の一帯の区画整理が行われて宅地化されていることや、27、33、35号墳の周囲が更地となっているのをGoogleマップで確認していたことや、47号墳の跡地をもう一度訪れてみたかったこともあり、亀甲山古墳や宝萊山古墳といった残存古墳には目もくれずに跡地めぐりを敢行しました。。。
この33号墳も跡地と思われる周辺が更地となっていることから訪れてみましたが、残念ながら痕跡を見ることは出来ません。実際には、画像の左奥あたりが古墳の所在地ではないかと思われるのですが、発掘調査が行われる可能性はないのでしょうか。。。
<参考文献>
西岡秀雄「荏原台地に於ける先史及び原始時代の遺跡遺物」『考古学雑誌 第26巻 第5号』
東京都教育委員会『都心部の遺跡』
東京都教育委員会『東京都遺跡地図』
人気ブログランキングへ
- 2017/07/12(水) 23:46:47|
- 大田区/田園調布古墳群
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0