
「本村原遺跡」は、小沢川(現在は暗渠となっている)に面した低地に広がる微高地上に存在する遺跡で、『東京都遺跡地図』には、杉並区の遺跡番号174番に登録されている遺跡です。
平成5年(1993)の住宅改築工事に伴う発掘調査により、縄文時代後期のフラスコ状ピットや奈良・平安時代の須恵器破片とともに、円筒埴輪の破片が出土しています。わずかに2点のみではあるものの杉並区内からは初めての検出で、この発見により、周辺地域の高塚古墳の存在が想定されています。
画像が、杉並区和田1丁目の「本村原遺跡」周辺のようすです。周溝や埋葬施設は未確認であるため、古墳の正確な所在地は不明ですが、埴輪片が出土したのは、基礎工事が行われている敷地のさらに右奥あたりです。
その後の、平成19年(2007)の女子美術大学の校舎改築に伴う発掘調査により、やはり小形の埴輪片3点が出土していることから、複数の古墳が存在した可能性も有り、杉並区内の古代史を大きく塗り替える発見となるようです。
<参考文献>
杉並区立郷土博物館『杉並の考古展 ―10年間の発掘から交流のあしあとを探る―』
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- 2017/08/25(金) 01:14:52|
- 杉並区の古墳・塚
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