
画像は、杉並区和田1丁目に所在する「本村原遺跡C地点」周辺を南西から見たところです。
この遺跡は古くから古墳時代の遺物包蔵地として知られており、昭和30年(1955)発行の『杉並区史』138ページに掲載されている「区内発見古墳地名表」には「和田本町983附近」の高塚として「東京市町名沿革史・群在という・今なし」とあり、出土遺物として「刀・槍(?)」をあげています。
この、かつての古墳の存在の可能性が考えられる地域での学術的な調査が行われたのは平成19年(2007)、女子美術大学の校舎の改築に伴う発掘調査により、旧石器時代の炭化物集中部や縄文時代の陥し穴、弥生時代や平安時代の住居跡や近世の遺構・遺物群などが検出されています。そして、このほかに小形の円筒埴輪か形象埴輪の破片3点が出土しています。
杉並区内で3例目となるこの3点の埴輪片の発見は表土や近世の遺構覆土からであり、残土がほかの場所から流れ込んだ可能性もあることから、古墳の正確な所在地を特定することは困難な状況です。また、報告書が未刊であることから埴輪片の出土した位置もわからないのですが、少なくとも付近に古墳が存在したことは間違いないようです。
今後の周辺地域の調査により古墳の発見の可能性は高まっているのかもしれませんね。。。
<参考文献>
杉並区立郷土博物館『炉辺閑話 No.40』
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- 2017/08/26(土) 00:11:01|
- 杉並区の古墳・塚
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