
画像は、杉並区大宮2丁目の「高千穂大学大宮遺跡1号墳」の所在地を南東から見たところです。
『東京都遺跡地図』には「高千穂大学大宮遺跡」が杉並区の遺跡番号180番の遺跡として登録されていますが、近年の発掘調査により、この敷地内から杉並区内で初めての古墳の周溝が発見されています。
平成13年、学校法人高千穂学園高千穂大学による建築事業計画に伴う試掘調査が行われ、環濠と思われる溝の一部と住居址と思われる落ち込み、土坑などの遺構が検出され、弥生時代後期及び古墳時代後期の土器片や埴輪片、中世の陶磁器編などが出土しており、その後の平成14年に行われた発掘調査により、古墳の西側半分が検出されています。古墳は円墳であると推定されており、周溝外径の最大径は19.5m、周溝内側の墳丘相当部の最大径は13.4mで、陸橋が検出されています。埋葬施設は検出されなかったようですが、遺構外から埴輪片が出土しており、これは杉並区内では3例しかない出土例であるそうです。
昭和30年(1955)に発行された『杉並区史』の「区内発見古墳地名表」には、この周辺に約30基もの古墳が存在していたという伝承が記されており、また大正3年の開校以前には3基の古墳が存在していたという文献の記録も残されているという中、この1号墳の発見は、この地の古墳群の存在を裏付ける存在となるのかもしれません。。。
<参考文献>
東京都杉並区役所『杉並区史』
高千穂大学大宮遺跡発掘調査委員会『高千穂大学大宮遺跡』
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- 2017/09/07(木) 01:12:41|
- 杉並区の古墳・塚
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