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古墳なう

「大都市、東京の失われた古墳を探せ!」をテーマに、 ご〜ご〜ひでりんが実際に現地に足を運んで確認した古墳や塚の探訪記録。

「猪方(いのがた)小川塚古墳」その2

「猪方(いのがた)小川塚古墳」

 さて、狛江市猪方3丁目所在の「猪方小川塚古墳」は、現地説明会のようすを平成24年(2012)12月31日(月) の『古墳なう』にて取り上げましたが、今回はその後の状況を掲載しようと思います。

 画像は、現地説明会が行われた平成24年(2012)10月21日に撮影した古墳のようすです。現地説明会はかなり盛況で、多くの人が訪れていました。古墳は平成25年6月には狛江市の文化財に指定され、敷地は狛江市により買収されて古墳は現状保存されています。


「猪方(いのがた)小川塚古墳」

 続いて、現地説明会から2年後の、平成26年12月に訪れた時の猪方小川塚古墳のようす。敷地はフェンスで囲まれていて立ち入りは出来ず、墳丘にはシートが被せられています。
 敷地内には、新たに狛江市教育委員会による説明板が設置されており、次のように書かれていました。

狛江市指定文化財(市史跡)
猪方小川塚古墳
指定年月日 平成25年6月24日

 猪方小川塚古墳は、狛江古墳群のなかでは、横穴式石室墳であることがはじめて具体的に確認されたものです。
 墳丘は大部分が削平されていましたが、墳丘を取り巻く周溝は良好な状態で遺存しており、外径30m、内径22~23mを測ります。石室の正面となる南側では周溝が途切れ、陸橋状となっています。周溝の規模から、本来の墳丘は径15~20m程度と想定されます。
 石室は天井部を失っていますが、玄室と前室からなる復室構造です。玄室は、長さ2.7m、奥壁幅1.36mを測る長狭な長方形で、壁面は約1.2mほどの高さで遺存していました。前室は、長軸1.8m、幅1.1mほどの長方形で、本来はその手前に羨道、前庭部が備わっていたものと想定されます。
 石室の築造にあたっては、「唐尺」(1尺≒30cm)が利用されたと考えられ、玄室は、長さ9尺、幅4.5尺で、前室は、長さ6尺、幅4尺で築造されたものと考えられます。
 奥壁、側壁はともに泥岩による切石切組積みで築造されており、切石表面には石室の構築や仕上げにともなう工具や調整の痕が観察出来ます。床面は、前室から玄室手前側には長楕円形の大礫が敷き詰められているのに対して、玄室奥側では泥岩の板石を敷いた上に小円礫が敷き詰められ、玄室を前後に区分する意図が窺えます。副葬品の多くは、玄室奥側の小円礫上から出土しました。
 また、残された墳丘の土層堆積状況からは、石室と墳丘の具体的な築造の方法・手順等を復元することが可能となりました。
 石室内からは、被葬者の頭部付近から2個1対の状態で金銅製の耳環が、また被葬者の両脇に束ねられるようにして鉄鏃が出土しています。鉄鏃の形態等から、この古墳は7世紀第2四半期頃に築造されたと想定されます。
 猪方小川塚古墳は、これまで5世紀半ばから6世紀半ばにかけて集中的に造営されたと考えられてきた狛江古墳群の造営時期について見直しを迫るもので、狛江古墳群の全体像、さらには多摩川中・下流域における横穴式石室墳の成立と展開や、7世紀における多摩川流域の地域社会の様相を考えるうえで、きわめて貴重な古墳といえます。

平成26年3月 狛江市教育委員会



「猪方(いのがた)小川塚古墳」

 そして画像が、今年に入ってからの猪方小川塚古墳のようすです。墳丘にシートが被せられて見学できない状況は変わっていないようですが、古墳の状況には変化が!
 昨年12月には、次の建築許可をするための公聴会が行われたようですので、いよいよ古墳の整備が行われるのかもしれません。鉄骨造の遺跡(石室)保存覆屋が新築されるようですので、楽しみに待とうと思います。

<参考文献>
現地説明版


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